宮城野区被災者交流支援事業  ≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
仙台市宮城野区の仮設住宅、復興公営住宅、防災移転地区、または
津波被災地域にお住まいのおおむね60歳以上の方々と、
毎月1回合唱の練習をしています。

今年3月26日に仙台フィル有志との共演で≪みやぎの「花は咲く」コンサート≫の晴れ舞台をみごと成功させた「花は咲く」合唱団はそのステージで活動にいったんの区切りをつけました。しかし、活動継続を望む熱烈な声がコンサートの観客と合唱団メンバーから多く寄せられ、復興センターと宮城野区まちづくり推進課では状況を鑑み、活動を継続することにしました。
市内では復興公営住宅や防災集団移転地区への移動がさかんになり、合唱団メンバーの中にも生活環境が大きく変化したが方が多くいらっしゃいます。新しい環境での心細さや不安を感じている方もいます。そんな方々の心のよりどころとして、また、これまでの活動で培われた向上心をさらに育む場とすることを期待してのことです。
3か月半ぶりに集まったメンバーは同窓会のようなテンションでおおさわぎ。「あらぁお久しぶりぃ！」「元気だった？」「またよろしくね」と再会を喜び合っていました。隣の区や市に引っ越した方もいて、電車やバスを乗り　継いではるばるやってきたそうです。それほどまでに合唱団を大切に思ってくださってるんですね。本当にありがたいことです。
そして、講師はこれまで通り、仙台オペラ協会のソプラノ齋藤翠さん、ピアノ伴奏は佐藤亜紀さんが務めます。お二人も合唱団のみなさんと再会できた喜びでうきうきとしていました。
今日の課題曲は、唱歌「牧場の朝」と三橋美智也の「達者でな」です。雰囲気の大きくちがう2曲ですが、みなさんにとっては懐かしくおなじみの歌です。さっそく楽々と歌い始めました。「達者でな」をすっかり民謡調に歌う人もいて、翠さんから「のど声は使わないように」「こぶしは回さないでくださーい」とアドバイスされていました。合唱の歌い方はやはりちがうものですからね。
久しぶりの練習だったので、みなさん思い切りよく声を出していました。多少発声や音程にばらつきはあるものの、声には力強さときらめきが確かにありました。「歌うことが本当に楽しい！」ということが傍で見ていても伝わってきて、なんだかまぶしいぐらいでした。
「これからは“自分たちの”合唱団として、みなさんで一緒に育てていきましょう」と事務局スタッフが言うと、みなさん大きくうなづいていました。
新しいメンバーも増えましたし、気分も新たにみんなで歌を楽しんでいきましょう！どうぞよろしくお願いします。