お知らせ

田子西「うたカフェ」9月

2015.9.18

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では、
町内会主催のサークル活動として、当住宅とその周辺にお住まいの方々の交流の場、
「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、
みんなで歌い、おいしいコーヒーとおしゃべりを楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、
音楽リーダーとなる音楽家をコーディネートしています。

朝からの雨が止んで、日が差し込む午後となりました。ちょっとほっとしますね。今日はおよそ20名の参加がありました。だいぶお久しぶりの方が顔を出したり、ご新規さんが5名もいらしたりとフレッシュな雰囲気でした。かつてみやぎの「花は咲く」合唱団メンバーだった方がいらっしゃいました。「新しい家に越したら合唱練習の場所が遠くなっちゃって…だからこっちに来ようと思うの」とのことです。形を変えてもまた音楽を通して再会できたことをうれしく思いました。
さて、音楽リーダーはいつものように松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノ伴奏は可沼美沙さんです。毎回おいしいコーヒーを用意してくださる喫茶ひこの西垣さんも準備万端、いらした方にさっそく淹れたてコーヒーを振る舞っていました。
DSC_0049仙台オペラ協会創立40周年記念公演「カルメン」を終えたばかりということで、今日のオープニングはカルメン役を務めた松本さんが華麗なステップと共に『ジプシーの歌』を披露しました。いつもほのぼのとしているのどかなうたカフェですが、今日は最初からぐっとテンションが上がりました。
DSC_0054その後、岩瀬さんが『夕方のおかあさん』という可愛らしい曲を歌いました。夏の終わりのカナカナの声を思わせるピアノのフレーズが印象的です。歌詞の中に外で遊んでいる子供に「ごはんだよ」と呼びかける部分があり、岩瀬さんは「さあご一緒に!」と合図します。会場じゅうに「ごはんだよぉ~」の声が響いて、秋の暮れ方の、ちょっとせつない気分が思い出されました。
DSC_0060今日のメインは秋の歌メドレーです。『里の秋』『紅葉』『七つの子』などおなじみの歌を少しずつたくさん歌いました。イントロがなんとシャンソンの『枯葉』というアレンジで、「ちょっと歌ってみませんか?」と誘われてみたものの、多くの人が「え~」と照れていたようですが。DSC_0058
『村祭』では景気よく合いの手をいれましょうと、松本さんと岩瀬さんがノリノリで「えい!」「よっ!」「やっ!」とやってみせました。みなさんもその調子に乗せられて楽しそうに笑いながら一緒に歌っていました。
DSC_0064休憩をはさんで本日のスペシャルコーナーとなりました。松本さんが『ハバネラ』を披露するのです。ピアノの前奏が始まると「ああこれね!」というような期待感が高まります。圧倒的な声量と豊かな表現、フランス語の特有の響きと妖艶な仕草も相まって、もうみなさん釘づけです。いつもの集会所がまるで歌劇場になったようなひとときでした。DSC_0077
防災とコミュニティについて調査研究に通っている大学生や西垣さんも突然駆り出され、カルメンに翻弄される殿方役をみごとに演じて?いました。即興のご協力、どうもありがとうございます!
その様子に参加者のみなさんは大喜び、やんやの大喝采でおひらきとなりました。
うっとりと聴き入ったり、大笑いしたり、歌いながら昔を思い出してほろりとしたり、と大忙しのうたカフェでした。