お知らせ

みやぎの「花は咲く」合唱団_12月

2015.12.9

仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」
宮城野区被災者交流支援事業
≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
宮城野区の仮設住宅、復興公営住宅、防災移転地区、または津波被災地域に
お住まいのおおむね60歳以上の方々と、毎月1回合唱の練習をしています。

今年最後の練習となった今日は、師走の忙しさの合い間を縫って27名のメンバーが集まりました。受付で「新しい家からどのくらい時間が掛かるか試してみたの」と言う方がいました。応急仮設住宅からようやく出て、新居に落ち着いたとのことです。合唱団のみなさんに確かめてみると、この数か月で住所が変わった方が5、6名いました。この冬は暖かく過ごせそうですね。
さて、歌う前にはまず準備体操を。寒い冬こそウォーミングアップは大切です。宮城野区家庭健康課の柴田さんの指導で、リンパの流れをよくするマッサージや表情筋をほぐす顔体操をやりました。
DSC_0354一列になって肩もみをすると「気持ちいいねえ」「あら、凝ってますね」と自然とコミュニケーションが始まります。この方法は体も心もあたたかくなって、いいものですね。
DSC_0367本日も、合唱指導は仙台オペラ協会の齋藤翠さん、ピアノ伴奏は目々澤亜紀さんです。翠さんは開口一番、「さあ、今日もどんどん歌っていきますよ~!」と気合い充分。合唱団は来年1月早々に本番を控えていますので、メンバーもやる気が増している様子です。
テンポのキープ、言葉の明瞭さと柔らかさ、歌い出しの準備、肚の支えを保つ姿勢などが今日の課題に挙げられました。盛りだくさんですね。「みなさんやればできるので、教える方もどんどん要求が高くなってくるんですよ」と翠さんは笑顔を見せました。
DSC_0363特に入念に練習したことは、歌いだしの呼吸についてです。その歌の歌詞を充分にイメージし、そこから導き出される息の吸い方があるはずだという説明に、多くの人が「なるほど」とうなづいていました。「その呼吸で会場全体の空気が変わるんです」と言われて歌ってみると、この部屋全体にエネルギーに満ちるような感じが出てきました。おお、やればできる!
DSC_0358翠さん自身がオペラ歌手として経験してきたことを踏まえて、「歌をこういうふうに伝えたいという気持ちやイメージがないと、歌はつたわらないんです」と言いました。この合唱団メンバーは60歳以上の方々ですから、彼らそれぞれの人生の経験値をもってすれば豊かなイメージが湧き出るはず。それを歌にのせて観客に届けられたらいいですよね。
DSC_0359休憩時間も惜しむいきおいで練習し、あっという間に終了時刻となりました。「良いお歳を」「また来年」との挨拶がそちこちで交されています。お正月をはさむといろいろ忘れちゃうかもしれないけれど、そしたらまた練習しましょう。みなさんどうぞお健やかに、良いお歳をお迎えください。