お知らせ
みやぎの「花は咲く」合唱団_新年度です
- 2016.4.13
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仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」
≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
宮城野区の仮設住宅、復興公営住宅、防災移転地区、または津波被災地域に
お住まいのおおむね60歳以上の方々と、毎月1回合唱の練習をしています。新年度が始まりました。気分も新たにみんなで歌っていきたいと思います。今日はこころなしか、みなさんがいつも以上に明るくて朗らかな雰囲気でした。やる気がみなぎっています。3月という特別な季節を越えたからかもしれません。
今年度も引き続き、合唱指導は仙台オペラ協会のソプラノ齋藤翠さん、伴奏は目々澤亜紀さんです。
いつものように体操で体をほぐし発声練習をした後、今日は特別に、2月14日に仙台フィル弦楽四重奏と共演したコンサートの映像を見ました。
自分が歌う姿を見る機会はなかなかないので、みなさん興味津々に見入っていました。本番の緊張を思い出しているのか、息を詰めて見ているような感じもして、歌い終わって拍手の場面になると「ほぉぉ~」と大きなため息があちこちから聞こえてきました。お疲れさまです。さて、今日から新曲の練習を始めます。『青い眼の人形』と『歌の町』は昭和初めと戦後すぐに作られた童謡ですね。「あら、懐かしいわ~」という声が聞えました。翠さんが「何年ぶりに歌いますか?」と尋ねると、「んー、50年ぶりぐらい?」との答えにみなさん大笑い。
「童謡もきちんと発声して歌えば、立派な合唱作品になるんですよ」との言葉に、みなさん「なるほどねえ~」とうなづいていましたが、実際歌ってみるとその発声が難しいのです。練習の回数を重ねてきて翠さんの要求もだんだん高くなってきます。
「口の中の空間を押しつぶさないように」
「大きな飴玉を舌に載せているイメージで」
「イやエの母音が幼いですよ。もっと口を縦に開けましょう」
と次々に注意が飛びます。これまでもずっとやってきたことだけれど、うっかり油断するとつい忘れちゃうんですよね。
よく知っているはずの歌ですが、アルトさんのパート練習を繰り返しくりかえし傍で聞いていたソプラノさんたちは自分たちのメロディを忘れてしまって「あははははは」とこれまた大笑い。ほんとに油断大敵ですね。
「せっかくなので音楽用語も覚えていきましょう」と〈rit/リタルダンド〉や〈a tempo/ア・テンポ〉の読み方と意味が説明されると、みなさん楽譜に書き留めていました。
弾むメロディにつられて言葉がぴょこぴょこ躍るたび、「言葉は滑らかにつなげて歌いましょう」と指摘されます。何度か練習するうち、素敵な響きが顔を出す瞬間があります。
何歳になっても新しく学べることがあり、何歳になっても努力すれば向上することを、合唱団メンバーがこうして体現しています。大先輩を見習って、私たちスタッフもがんばろう!と新たに気を引き締める春の日でした。