お知らせ
若林西せせらぎ会「うたっこ会」②
- 2016.11.16
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仙台市若林区の復興公営住宅で2015年9月から「うたっこ会」を始めました。
復興センターでは音楽家をコーディネートし、若林西せせらぎ会と
協働してこのサロンを運営しています。若林西市営住宅は、平成26年春から入居が始まった仙台市若林区にある災害公営住宅です。平成27年秋から、季節ごとに一度のペースで「うたっこ会」を開催しています。今回は7/20以来の訪問となりました。音楽リーダーはメゾソプラノの後藤優子さん、ピアノは田村聡子さんの同級生コンビ。今日も、素敵な秋の紅葉や、木の実たちと一緒に来てくださいました。お二人のお洋服も、紅葉色です!
4カ月ぶりとなり、久しぶりにお会いできることが嬉しく「お元気でしたか?」と声を掛け合ってのスタート。15分ほど時間をかけて、ゆっくり、少しずつ身体をほぐしていきます。「こんな風に身体を動かすことも、なかなか日常生活ではないと思いますので」と後藤さん。言われてみると確かにそうです。首や肩を回したり、伸ばしたり。
「次は、みなさん女優になったつもりで、びっくりした顔をしてみましょう。お歳暮やプレゼントが届いた時を思い出してみてください!せ~の!」の掛け声で、ごらんの通り、演技派俳優勢ぞろい。勢いよく息を吸うと、腹筋が動くのも分かり、顔の筋肉も、一度に動き、「みなさん、お上手です!」の後藤さんの声にみんなで大笑い!すっかり身体も心もほぐれてきました。
今日のお題は「靴が鳴る」「夕焼小焼」「学生時代」。それぞれ、お手本に1番を後藤さん田村さんの演奏で聴かせていただいた後、全員で歌詞を朗読します。歌う時には、なんとなく文字を目で追うだけになってしまいがちですが、朗読してみると、絵が描かれている情景や、一文のまとまりが感じられて、文学作品として味わう楽しみが生まれることに気付かされました。
その後に、歌詞の内容を想像しながら、みんなで歌います。「夕焼小焼」では、前奏の始まりにお寺の鐘の音を真似た音があったり、最後は「空にはきらきら金の星」と終わるように、星がきらきらと光るような部分があったりしますよと、後藤さんはこの曲の秘密も教えてくれました。
準備体操に続いてみんなで歌うと、すっかり身体がぽかぽかと温かくなりました。休憩を挟んで、後藤さんと田村さんの演奏を聴かせていただくミニコンサートのコーナーです。
今日の曲目は「夜明けのスキャット」「明日があるさ」。「明日があるさ」は、歌詞の物語に沿った寸劇仕立てです。小道具になつかしいダイヤル式の電話が登場しました。田村さんのご実家に残っていたとのこと、みなさん、とても懐かしそうに眺めていらっしゃいました。アンコールには後藤優子さんが作詞作曲された「空 ~sol・la~」を。世界の平和を祈って作られたこの曲は、歌詞に「そら」が出てくる部分には、必ずソとラの音を当てて作ったのだそうです。後藤さんの優しいお人柄がそのまま祈りの言葉となったような、素直に心にとどく詩と曲、そして言葉をしっかりと届けてくださる後藤さんの歌声と、ドラマチックな田村さんの伴奏に、みなさんすっかり聴き入っていらっしゃいました。
さて今日もたのしい時間はあっという間です。1時間の「うたっこ会」が終わると、恒例のお茶っこの時間です。今日は初登場というコーヒーメーカーが登場し、コーヒーのいい香りが集会室に溢れました。みずみずしいオレンジも、たくさん御馳走になりました。初参加だった男性お二人ともお話しさせていただくと、手前の方は93歳とのこと。長生きの秘訣を伺い、民謡を習っていたこともあると、宮城の民謡「さんさ時雨」が始まります。すると、向かい側の女性陣も声を合わせてご一緒に。そのお見事なこと!いくつになっても、口をついて出てくる唄があること、みんなで歌える地元のうたがあることって、なんとも、よいものですね。
次回の「若林西うたっこ会」は3月、おひなさま音楽会として開催します。自治会である若林西せせらぎ会婦人部主催の「せせらぎサロン」の一環として開催していますが、「うたっこ会」の日は男性の参加も歓迎です。若林西市営住宅にお住まいのみなさん、ぜひおでかけくださいね。