お知らせ

〈こんにちはコンサート〉ラヴィーレ泉パークタウン朝日へ

2025.8.1

仙台市では、新しい音楽ホールと中心部震災メモリアル拠点の複合施設を整備する計画を進めています。
この施設では『文化芸術を子育て・教育・福祉・まちづくりなどに生かす』ことを大きなテーマとし、
開館を前にさまざまな取組みを行ないます。その一つ「こんにちはコンサート」は、
アウトリーチ事業モデルの構築を目的とする事業で、復興センターが企画制作を担っています。

今日は仙台市泉区にある介護付き老人ホーム「ラヴィーレ泉パークタウン朝日」に伺いました。本日の出演はピアノの八巻梓さんとチェロの吉岡知広さん(仙台フィル)です。本番前のリハーサル中には、5名ほど待ちきれずに会場に入ってきて、「私、クラシックが大好きなのよ。最前列で聴きたいから今から席に座ってちゃダメかしら?」とのこと。我々スタッフも演奏家も嬉しいやら困ったやら(笑)。でも、それだけ今日のコンサートを待ち望んでくださっていたとは、本当に嬉しい限りです!

そしてコンサートは、まずエルガーの『愛の挨拶』やサン・サーンスの『白鳥』といったチェロの重厚かつ優しい響きを堪能できる名曲から始まり、続いて八巻さんがピアノソロでショパンの『子犬のワルツ』を華麗に愛らしく。それから日本の童謡や歌曲、懐かしの歌謡曲、シャンソンなど多彩なプログラムとなりました。

途中でお二人によるそれぞれの楽器紹介コーナーがありました。吉岡さんが使用しているチェロは1902年生まれの楽器とのことで、人間でいえば120歳超え!そして、弓にはクジラのヒゲや象牙が使われているといったお話をみなさん感心して聴いていました。八巻さんもピアノの音が出る仕組みや、今日弾いているアップライトピアノと、コンサートなどでよく見かけるグランドピアノとの違いを分かりやすく解説してくれました。

コンサートの後半では、みなさんから事前にリクエストを募集して人気の高かった『みかんの花咲く丘』『浜辺の歌』『上を向いて歩こう』『蘇州夜曲』『愛燦燦』など、懐かしの歌謡曲をお二人の演奏に合わせて一緒に歌いました。なかには、若い頃に蘇州へ行ってこの歌を聴いたことがある方もいらっしゃって「あれから50年、90歳を過ぎて、この老人ホームでまた『蘇州夜曲』を聴けるなんて…。懐かしさで胸がいっぱい…。」と感極まっていました。

終演の挨拶では、吉岡さんが「偶然にも我々二人ともここ泉パークタウン出身なので、こうやって地元で演奏できたことが本当に嬉しくて…。そして、みなさんとても温かく迎えてくださって…。ありがとうございました!」と喜びと感謝の気持ちをみなさんに伝えていました。

お見送りのときには、みなさん興奮気味に「本当に素晴らしかったわ!毎月来てもらえないかしら~」「また来てくださいね~。一緒に歌えて楽しかった!」と口々におっしゃっていました。なかには文字を書くのもままならない方もいましたが、時間をかけてアンケートを書いてくださいました。そこには「懐かしい曲の数々に胸つまりました。お二人の素晴らしい演奏に泣けてきました。素敵なコンサート有難うございました。」と感謝の言葉がつづられていました。
今日は音楽好きの方やクラシックファンも多く、演奏家のお二人にとっても嬉しいコンサートになったのではないでしょうか。みなさん、心温まる時間をありがとうございました。