お知らせ
メモリアルコンサート vol.50
- 2025.8.11
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音楽の力による復興センター・東北では
東日本大震災の月命日にあたる11日に、市民のみなさんとともに
音楽を通じてあの日に思いを馳せる場を設けたいと考え、
「メモリアルコンサート」を企画制作しています。
(主催=仙台市/協力=せんだい3.11メモリアル交流館)今日は荒井駅の近くで「あらい七夕夏まつり」が開催されていて、会場のメモリアル交流館にもたくさんの七夕飾りが飾られてあり、とても華やかな雰囲気です。夏休み中ということもあって、いつもより多くの親子連れが訪れていました。
本日の出演は、ピアノ八巻梓さんとチェロ金子遥亮さん(仙台フィル)のお二人です。八巻さんにはこれまでも復興コンサートなどにご出演いただいていますが、金子さんは今回初めてのご出演となり、仙台フィル期待のルーキーである金子さんがどんな演奏をしてくださるのか、我々スタッフも楽しみにしていました。
連日の猛暑にもめげずにご来場くださったお客様で、コンサートは2回とも満員御礼。まずは、エルガー『愛の挨拶』で始まり、続いてサン・サーンスの『白鳥』が演奏されました。この『白鳥』は言わずと知れたチェロの名曲のひとつです。さざ波のようなピアノ伴奏にのって、チェロが美しく歌い上げる旋律には心打たれます。多くのお客様がじいっと耳を澄まして聴いていました。
演奏の合間に、金子さんが自己紹介をかねて、今日のメモリアルコンサートへの想いを語りました。県外出身で主に関東で活動されていた金子さんですが、東日本大震災をきっかけに演奏活動などで仙台によく来るようになったこと。そのなかで元仙台フィルのチェリスト山本純さん(復興コンサートに度々出演されている)とご一緒する機会が増えたこと。そして、偶然にもその山本さんがちょうど一年前のメモリアルコンサートに出演されていたこと。金子さんのそんなお話を聞いていると、今日のコンサートになにか運命的なものを感じずにはいられませんでした。
続いては、八巻さんが「今日のプログラムは、静かな、ゆったりとした曲を選んでみました。みなさんの大切な人、懐かしい人や場所を想って聴いていただければ…。」と語り、ピアノソロでドビュッシー『月の光』を演奏しました。水面にうつる月の光を思い起こさせるような、八巻さんの奏でる美しい音色に、みなさん酔いしれるようにうっとりと聴きいっていました。
最後は、シャンソンの名曲『愛の讃歌』でお二人は息のあった演奏を披露し、涙をこぼしながら聴くお客様の姿がみられました。そして、アンコールは東日本大震災復興支援ソングの『花は咲く』で幕となりました。今日のプログラムはお馴染みの曲が多く、またチェロの響きが活かされた選曲だったので、みなさん楽しんでいただけたのではないかと思います。
終演後にお客様から寄せられたメッセージには
「あの日、いろいろありました。あの日のこと、あれからの自分のことを感じながら夢心地の30分でした。ありがとうございました!」
「ざわつき、不安定な心が、久しぶりに音楽に洗い流され、清い気持ちを取り戻せました。」
「素敵なお二人の演奏にたいへん癒されました。音楽の力は本当にすばらしいです。ありがとうございました。」
など、素敵な演奏への感謝の言葉が多く綴られていました。連日の猛暑で心身ともに疲れ切っていたところ、ほっとできる癒しの時間になったのではないでしょうか。みなさま、どうもありがとうございました。