お知らせ

田子西「うたカフェ♪」_10月

2025.10.17

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌を楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

日差しに汗ばむほどの陽気となりました。市営住宅の花壇には色とりどりの花が咲いています。
さあ今日もみなさん一緒に歌をたのしみましょう。音楽リーダーはいつものように、仙台オペラ協会ソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノ富樫範子さんです。どうぞよろしくお願いします!

まずはゆっくり大きく呼吸しながら伸びをして、上半身のストレッチを入念に。会場内にはすでにコーヒーのよい香りが漂っているので、深呼吸するのがいっそう快いです。
今日は課題曲も色とりどりで、『まっかな秋』『青い山脈』『桃色吐息』『君は天然色』と色彩豊かなプログラムです。最初の2曲はおなじみなので、みなさんはつらつと元気に歌いました。松本さんが「ちなみに『青い山脈』の前奏って『ジングルベル』にすごく似ているんですよ」と言うと、「あ!ほんとだ」と意外な気づきがありました。「どちらを歌うかで年代が判りますね」だそうです。
『桃色吐息』は知らない方もいるかしらん…と心配しましたが、なんのなんの、みなさんしっかり歌えていました。「せっかくなので、色っぽく歌ってくださいね」「髙橋真梨子でも松坂慶子でもいいですよ」という松本さんの注文に「あはは~」と笑いが起きました。『君な天然色』もそうですが、普段、自分が選ばないであろう曲を歌うのはきっと新鮮で楽しいですよね。

さて、秋になると、喫茶ひこのマスター西垣さんが淹れるコーヒーが一段と美味しく感じます。みなさんはほっこりと一服しながら、音楽リーダーのミニコンサートに耳を傾けます。
まずは松本さんと岩瀬さんが二重奏で『まっかな秋』を披露しました。さきほどは童謡らしくみんな元気に歌いましたが、お二人のハーモニーで聴くと耳に心地よく、錦織りなす色彩感がアップしたようです。つくづくアレンジってすごいなと思います。
「この『まっかな秋』を作曲した小林秀雄の特集ということで…」と、松本さんが『日記帳』を、岩瀬さんが『落葉松』を独唱しました。
どちらもたいへんにドラマティックな歌であり、その歌声には胸にせまるものがありました。深まる秋を先取りするように、しっとりとした余韻が残る演奏でした。思わずため息が出るような、もの想う秋にふさわしい歌です。お二人の熱唱に大きな拍手が沸きました。

これからどんどん寒くなっていきますので、お互いに風邪をひかないように気をつけましょう。それではまた次回!