お知らせ

泉中央南「歌声サロン」_6月

2017.6.20

仙台市泉区の復興公営住宅で2015年10月から「歌声サロン」を始めました。
復興センターでは音楽家をコーディネートし、泉中央南町内会と
泉区まちづくり推進課と協働してこのサロンを運営しています。

梅雨入り間近の汗ばむ陽気となりました。樹々の緑はどんどん茂って陰影を濃くしています。集会所の窓から見える空き地にはヒメジョオンがたくさん咲いて花畑のよう、じつに美しい景色です。
さて、今日もメゾソプラノ後藤優子さんとピアノ田村聡子さんにご登場いただきました。卸町市営住宅での出前うたごえ広場を2日前に終えたばかりですが、さらにパワーアップしている様子です。会場には35名の参加者が集まりました。「あら、こんにちは」「どうもね」と、市営住宅にお住まいの方と周辺地域にお住まいの方々と自然な挨拶が交わされます。小さな社交場となっているみたいですね。
まずは入念なウォーミングアップで始まります。体をほぐして、顔の筋肉もほぐして、のどの奥を開けるワークをしっかりやったのちに、呼吸と発声をやります。終わると「ふわぁ~暑い暑い!」「汗が出るね!」と効果てきめん。今日から冷房を使わせていただくことにしましょう。

最初の歌は梅雨時期にちなんで『かえるの合唱』です。ご存じのようにとても短くて素朴な歌ですが、追いかけっこする面白さがあります。さっそく3つのたんぼ(チーム)に分かれて輪唱に挑戦しました。
歌い始めると、本当のカエルさながらに会場中に歌声がぐわんぐわんと渦巻いて、大きなハーモニーがうねりながら通り過ぎて行くようでした。みなさんから「おお~!」と自然に喝采が沸いて、即席合唱にご満悦の様子。輪唱はたくさんの仲間がいてできることですから、歌声サロンならではの楽しみと言えるでしょう。

続いては『切手のないおくりもの』です。フォーク世代よりちょっと年上とおぼしき方々から「これ、聞いたことないわぁ」との声が上がりました。
後藤さんが見本で歌うと「ああこれね」と納得する方と「やっぱりわかんない」という方がいました。「でも、歌えそうだから大丈夫!」と前向きな反応をしてくださったので、「ありがとうございます!みなさんのご協力あってこそです!」と、演奏家も嬉しそうでした。この曲の中にある「知り合えたあなたへ、この歌を届けよう」という歌詞がこのサロンにぴったりで、みなさんが声を合わせて歌っている光景がとても尊く感じられました。
最後は6月のジューンブライドにちなんで『てんとう虫のサンバ』でした。これはおばさま方がノリノリで、手拍子足拍子に体を揺らして身を弾ませて歌っていました。
可愛らしいほどのこの若々しさはどこから来るのでしょうか。そして、男性もこのメルヘンチックな歌をけっこう楽しげに歌っていたのが意外でした。
そろそろお茶で一息いれましょう、今日は冷たい麦茶が人気でした。歌うと心地好い疲労感がありますものね。
さあ、恒例のティータイムミニコンサートは『エーデルワイス』で幕開けです。
後藤さんと田村さんが美しいハーモニーを披露しました。雪山に咲く花の歌ではありますが、この季節の仙台では白い花が多く咲きますから、イメージが重なります。清楚で匂い立つ花の姿を思わせるすてきな演奏でした。
「わぁ…」というため息のあとに、「ブラボー!!」という掛け声と大きな拍手が送られました。
続いては、これも時季にちなんだ選曲ですね、八神純子『水色の雨』が演奏されました。パワフルな歌声と打楽器のような激しいピアノのリズムにみなさん圧倒されていたようでした。
アンコールにお応えしての森昌子『せんせい』では会場中が手拍子で一つになり、盛り上がりました。例の有名なサビで立ち上がって手を振り上げるおじさまもいらしたほどです。
お帰りになるみなさんの表情はいつもぴかぴかの笑顔になっていて、すごい美容効果だなあと毎回思います。ふだん寡黙で無表情だなあと思っていた方が、今日はふと小さな笑顔を見せてくださったので、「おお!」とスタッフにとっては大きなと発見と驚きのあった日でした。それではまた来月もよろしくお願いします!