お知らせ

みやぎの「花は咲く」合唱団_7月

2017.7.10

仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」
≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
おもに宮城野区の仮設住宅、復興公営住宅、防災集団移転地区、
または津波被災地域にお住まいのおおむね60歳以上の方々と、
毎月1回合唱の練習をしています。

朝から日差しが照りつける日です。今年はカラ梅雨の様子ですね。講師の齋藤翠さんとピアノ目々澤亜紀さんは夏らしい爽やかな装いで登場しました。「今日は3曲全部を練習しますよ、がんばりましょうね!」と気合いも充分です。
アルトパートのみなさんは、おなじみの主旋律からは想像つかないメロディに毎回四苦八苦しているのですが、それでも少しずつ蓄積されていく様子がうかがえます。根気よく繰り返して身体に染み込ませていきます。
まだまだ自信がないので、どうしても楽譜にしがみついて下を向きがちになり、口の開き方もついゆるみがちです。口の開け方のコツとして「頭蓋骨の上半分を開けるイメージですよ。顎を下げて開けるのではないです」と、翠さんは言いました。実際にやるのは不可能ですが、そういうイメージを持つだけでもだいぶ違いますね。自然と眉が上がり、目も開いて、ぱっと声が明るくなりました。
ソプラノはよく知った主旋律を担当することが多いので気苦労は少ないかもしれませんが、「その分、美しい表現をお願いしますね!」と檄が飛びます。なめらかにレガートしたフレージングを要求されます。言葉を或る塊でとらえること、その先をどこへ持って行きたいか、その意志をどう表現に乗せるか、そして、曲の全体像をとらえること。全体を俯瞰する巨視的な眼と、一音一音を大事に扱うミクロな視点も同時に必要なんですね。

これまであまり専門的な音楽用語は使わないようにしていたのですが、簡単な音楽記号はそろそろ覚えていきましょうということで、翠さんは「フェルマータ」「リタルダンド」「ア・テンポ」などを板書し、その役割を説明しました。みなさんは楽譜に書き込んでいました。
『あの素晴らしい愛をもう一度』では「こころ~とこ~ころが~」の高音を頑張り過ぎてざらっとした声が突出する感じになります。翠さんは「例えばとび箱を跳ぶときは助走と踏み切りが大事です。跳ぶ前の踏ん張りに支えられて跳ぶ瞬間はむしろ力を抜いて楽になっている状態ですよね。歌うときも同じですよ」と説明しました。きっと誰もが小学校の授業や遊びで経験していることでしょうから、身体的に理解できる(腑に落ちると言いましょうか)解説だと思いました。歌と跳び箱、一見だいぶかけ離れたもの同士の面白い共通点ですねえ。しかし考えてみれば、歌は全身運動ですから、或る意味スポーツとして共通するものがあるのは自然なことかもしれませんね。
今日は久しぶりに顔を出したメンバーがいました。仕事の都合でなかなか来られないのをどうにかやりくりして来たのだそうです。ありがたいことです。歌うことがまた仕事への活力になるといいなあと思いました。
さあこれから猛暑がやってきます、夏バテ注意でまた来月お会いしましょう。