お知らせ

泉中央南「歌声サロン」_7月

2017.7.18

仙台市泉区の復興公営住宅で2015年10月から「歌声サロン」を始めました。
復興センターでは音楽家をコーディネートし、泉中央南町内会と
泉区まちづくり推進課と協働してこのサロンを運営しています。

今日は雨模様、遠くの空から雷の轟きが聞こえてきます。くわばらくわばら。そんな雨をものともせずご近所さんも明るい笑顔でやって来ました。
この住宅から引っ越してちょっと遠くへ行った方も電車や地下鉄を乗り継いで元気な顔を見せてくださいました。
「だってこれがすごく楽しみだから、がんばって来ちゃうの」と嬉しい言葉をいただきました。音楽リーダーのメゾソプラノ後藤優子さんとピアノ田村聡子さんのお二人は「ありがとうございます!」と、その言葉に大感激していました。
さらには、「これ、良かったら使ってね」と手編みのテーブルセンターやコースターを演奏家に手渡す方がいました。網目の整った緻密な仕上がりに「わぁ素敵!」とまた感動するお二人なのでした。さっそく今日の舞台美術に取り入れていましたよ。
今日は常連さんとご新規さんと、福祉士の実習に来た学生さんたちも加わってとても賑やかです。ときどき雷鳴と土砂降りの雨にちょっと驚かされますが、負けずに歌っていきましょう!
お二人が浴衣姿で登場するや、「うわぁ~」「あら~」「綺麗~」と客席は感嘆の渦。参加者のみなさんはお二人の涼やか&あでやかな姿に大よろこびでした。季節感の演出は大事ですねえ。
今日は、季節の唱歌『たなばたさま』、ご当地ヒット曲『青葉城恋唄』、ご当地盆踊り曲『七夕まつり』の3曲を歌います。
『青葉城恋唄』はお好きな方が多いのでしょう、のびのびと声が出て、歌声が会場いっぱいに響き、一体感が感じられました。昭和時代の本来の歌声喫茶を彷彿とさせるような雰囲気でした。
そう言えば、この曲を歌ったさとう宗幸さんはその昔、歌声喫茶のスターだったそうですね。後藤さんはメロディに対して言葉の多い部分のさばき方をアドバイスしました。そのコツを聞いて、「あ、そうか」と納得し、2回目はよりスムーズに歌える人が増えました。
島倉千代子『七夕まつり』ではイントロが鳴るや自然と手拍子が湧いて、すぐに口ずさむ人が多数。中には踊りの振りをやる方もいました。「もしよろしければ踊ってください」と誘うと、「はい!」と元気よく立ち上がり、率先して踊り出すご婦人方が数名いらっしゃいました。町内会長さんも「よし!夏祭りの予行練習だ」と参加しました。あまりのノリの良さにスタッフが圧倒されたほどです。実習の学生さんも駆り出されて、一足早い盆踊りの輪ができました。

みなさんの歌でひとしきり踊って、会長さんをはじめ踊り手も歌い手も「いやぁ~いいねえ」とご満悦の様子でした。ちょっとした和風ディスコでしょうか。実に愉快でした。
麦茶を飲んでちょっと一服した後はミニコンサートの時間です。
優しい旋律の『逢えてよかったね』、手拍子に煽られて大熱唱の『かもめが飛んだ日』に続いて、締めはしっとりと『見上げてごらん夜の星を』が演奏されました。後藤さんと田村さんの息の合ったハーモニーがきらきらとして天の川の星々を思い起こさせます。
歌って踊って盛り上がったこの1時間でしたが、この歌にすうっと澄んだ気持ちにしてもらったように思いました。ふと外を見ると、土砂降りの雷雨もいつしかやんでいました。
みなさんのお帰りを見送る演奏家に、最近はご自分の得意技を披露する方が最近増えてきましたよ。 今日はかぎ針編みの小物のほかにも、常連のおじさまが「松尾芭蕉の『奥の細道』を書いたんだ」と5メートルはありそうな巻物を見せてくださいました。文字通りの圧巻ですねえ。これも親近感の現れなんですね。参加者のみなさんに愛されている歌声サロンなのでした。また来月よろしくお願いします!