お知らせ

通町市営住宅お茶会「今日はうたの日♪」

2017.7.20

通町(とおりちょう)市営住宅は仙台市青葉区の街なかにあって、かなり規模の大きい高層の復興公営住宅です。町内会が住民の交流促進を願い、隔月一度のお茶会を主催しています。そのお茶会で歌声喫茶を試してみたいとの依頼が来ました。復興センターではお二人の音楽リーダーをコーディネートし、「通町市営住宅お茶会~今日はうたの日~」を行なう運びとなりました。

本日登場したのはソプラノ佐藤瑛利子さんとピアノ大岩千華さんのお二人。初めてのコンビによる初めてのうたの会です。さて、どんなことになりますか、楽しみですね。
会場には住民の方々と支援関係者あわせて約30名が集まりました。
まずはウォーミングアップから。足首を曲げたり伸ばしたり、肩や腰を入念に回したり、背中もよく伸ばします。血行が良くなって、みなさんさっそく汗ばんできたようです。
続いては顔のストレッチです。眉、目、鼻、口、顎と順番に動かしていきます。「歌うには《開いた顔》が大事なんですよ」と、瑛利子さん。「ジャンプするときに膝を曲げるように、顔を開く前にはまずぎゅっと閉じるんです」と言うと、顔のパーツを一度中心にぎゅうっと寄せて、一気にぱあっと開放しました。それを真似て顔の「グー」「パー」を何度か繰り返すと、みなさんの表情がふわっと明るくなりました。
今日の課題曲は『椰子の実』『夏の思い出』『上を向いて歩こう』の3つです。この町内会が独自で作った特製の歌本から選びました。

「高い音を出すときには窓の外の遠くを見ましょう」
「エの母音は舌を前に出すと良いですよ」
「さあ、開いた顔で歌いましょう!」
さまざまなアドバイスを受けながら、みなさん朗らかに歌っています。
数名の男性参加者のおかげで素敵な低音が響いて、全体の歌声が元気に満ちたものに聞こえました。
中でも、歌うときの姿勢についてしばしばコメントがありました。椅子に浅く掛けること、足の裏を地面にしっかりつけること、気道をつぶさないように背筋をまっすぐ伸ばすこと、などの解説に多くの方がうなづきながらさっそく試していました。

休憩をはさんでのミニコンサートではフランス歌曲や日本の唱歌などが披露されました。平井康三郎『うぬぼれ鏡』では、歌の登場人物になって手鏡をのぞきこむ姿が微笑ましく、大きな拍手が沸きました。

アンコールで『北国の春』が飛び出すと、みなさん意表を突かれて「ええ~っ!」と驚いていました。町内会の役員さんは「この歌い方でまさかねぇ…」と感心していました。演奏家のお二人の作戦は大成功ですね。

うたの会のあとはみんなで一緒にお茶飲みしました。瑛利子さんも大岩さんもとてもきさくなので、きっと孫娘が来たような親しみやすさがあるのでしょうね、周りの人たちとおしゃべりが弾んでいました。
「じつは今日のために初めて組んだ二人なんです」と演奏家が言うと、「まあそうなの!」という声のあとに「よかったよ~」「楽しかった~!」「また来てね」とあちこちからお褒めの言葉と拍手が飛んで来て、お二人はとても嬉しそうな笑顔を見せました。
「声が出せて気持ちが良かったよ」「なかなかいいもんだね」と男性参加者からも好評でした。
お見送りする演奏家に笑顔で話しかける多くの参加者の様子からもこの時間をたっぷり愉しんでいただけたことがわかってホッとしました。私たちも次の機会を楽しみに待ちますね。それではまた!