お知らせ

塩釜・伊保石「みんな音もだち♪スペシャル」へ

2017.9.8

塩釜市の高台にある、清水沢伊保石1区第2集会所。塩釜の復興支援ボランティアグループ えぜるプロジェクトとの共催で、昨年に続いて2度目の訪問となりました。出演は、ピアノ石川祐介さん、ヴァイオリン門脇和泉さんのお二人。塩竈市ふれあいサポートセンターのスタッフさんたちも、見学にいらっしゃいました。

この集会所は、戸建ての災害公営住宅が30軒あまり建つ敷地の一画にあります。塩釜港から定期船の出る、浦戸諸島にお住まいだった方や、市内の沿岸部にお住まいだった方が移り住んでいらっしゃいます。元々の清水沢・伊保石地区にお住まいの方と、転入していらした方、双方が顔を合わせ交流を深められる機会となれば、とご依頼をいただきました。

水色の素敵なドレスの門脇さんと、白い半袖シャツが爽やかな石川さんが登場。コンサートは「愛の挨拶」で、爽やかに始まりました。目の前から聴こえてくるヴァイオリンとピアノの美しい音色に、会場は一瞬にしてサロンのような雰囲気です。続いては、ヴァイオリンの楽器紹介へ。なかなか間近でヴァイオリンを見ることなどありません。楽器と弓の素材について、クイズを交えてのお話にはみなさん興味津々でした。続いての「情熱大陸」では、2人だけという身軽さから、それぞれのアドリブのようなソロもあって、一気に舞台へとみなさんの気持ちが集中するのがわかりました。

ピアノの楽器紹介では、鍵盤数の話しから、通常より鍵盤数の多いべーゼンドルファー社のピアノについてのお話も。また会場から「ペダルというのは、3本それぞれ役割が違うんですか?」と質問も飛び出し、石川さんもわかりやすい言葉で説明してくださいました。ピアノのソロではテレビドラマの挿入歌だった「命のうた」を。旅立ちと別れのない交ぜになったせつない気持ちが、伝わってくるようでした。その後、またヴァイオリンと一緒に、2本の弓の弾き比べによる格付けチェックなどなど。みなさんには、「赤とんぼ」「川の流れのように」をそれぞれフルコーラスで一緒に歌っていただきました。ここまでに、充分に身も心も解れていた様子の、大らかな歌声が飛びだしました。コンサートの最後は、バルトーク作曲「ルーマニア民俗舞曲」。当時ハンガリー王国の一部であったルーマニアの各地の民謡を題材にしたもの。技巧的な見どころも多く、東欧独特の民謡的な旋律や歯切れのよいリズムに、おそらく初めてこの曲を耳にされたみなさんも、すっかり聴き入ってくださいました。

終わりにえぜるプロジェクトの宮城さんから、御礼の言葉がありました。「こうして、いい音楽を聴かせていただくと、私はいつもお腹がいっぱいになった時のように幸せな気持ちになって“ごちそうさまでした!”と思うんです。今日もやっぱり“ごちそうさまでした!”」会場のみなさんも、本当にそうだねぇ~とみなさん笑顔でたくさんの拍手が起こりました。また演奏者のお二人には、可愛らしい花束も頂戴いたしました。お心遣いに感謝申し上げます。

決して広くはない会場でしたが、高い天井にも助けられ、ヴァイオリンとピアノのお二人だけとは思えない迫力のある演奏でした。「町内のみなさん、今日をとっても楽しみにされていたんですよ」と民生委員さん。これ以上いらしたら、会場に入り切れなかった…というくらいたくさんのお客様にお越しいただくことができました。新しい土地での生活も、既に1年以上、みなさん少しずつでも慣れていらっしゃったでしょうか。なかなか不安を声にできない方々にこそ、こうした小さな音楽会が届けられれば、と心から願っています。