お知らせ

泉中央南「歌声サロン」_10月

2017.10.31

仙台市泉区の復興公営住宅で2015年10月から「歌声サロン」を始めました。
復興センターでは音楽家をコーディネートし、泉中央南町内会と
泉区まちづくり推進課と協働してこのサロンを運営しています。

今日から3年目に突入する歌声サロンです。ご愛顧いただきありがとうございます。常連さんに混ざって「今日初めて来たの」というご新規さんもいらして、さまざまな人が、思いおもいに歌を楽しみ交流する場になっています。
今日も音楽リーダーのメゾソプラノ後藤優子さんとピアノ田村聡子さんは秋紅葉のデコレーションを用意してみなさんを歓迎しました。「今日はハロウィーンだからカボチャでもかぶって来るんじゃない?」と或る常連さんが笑いました。この設えや演奏家お二人の衣装を毎回楽しみにしているようです。花瓶に生けた造花の柿の実を見て「あら、うちの庭に生えてた柿とそっくりだ!」と目を丸くしていた方もいました。

今日のうたは『旅愁』『遠くへ行きたい』『東京ブギウギ』の3曲です。
『旅愁』での歌声がとてもすばらしく、ひときわ大きくのびのびと鳴り響きました。その様子に演奏家は驚き、「すごいですね、みなさん!」「このままテレビ番組のバックコーラスやれそうですね」と感心していました。それを受けて「うん、呼ばれれば行ってあげてもいいよ」と答える人がいて、会場は大笑い。
『遠くへ行きたい』では「遠くを見るように顔を上げて」「額に口があると思って歌ってみましょう」というアドバイスがありました。それだけで声が明るくなりかつ遠くへ伸びて、歌の世界が広がったように聞こえました。さらに「歌の表現をさらに深めるため、クレシェンドとデクレシェンドを意識しましょう」と言われると、すぐにみなさんは実践して、感情を一層こめながら歌いました。今日は調子がいいですね、すっかり合唱団のようでした。歌い終わった直後に「はぁぁ、私も遠くへ行きたいよ…」と誰かがぽそっと発したつぶやきに、また会場じゅうが笑いに包まれました。

『東京ブギウギ』は手拍子に加えてマラカスやウッドブロックも参加して、大変な盛り上がりとなりました。みなさんノリノリで、「ヘーイ!」の掛け声も笠置シヅ子ばりの元気よさです。戦後の日本を元気づけたこの歌はいまだに有効なんだなあと先人たちの遺産に感服しました。
ひとしきり歌った後はお茶で一服。後藤さんと田村さんが演奏を披露します。この季節ならではのしっとりとした『秋桜』では聴きながら涙ぐむ人がいました。

続く『ラストダンスは私に』『涙そうそう』では、以前リクエストしてくださった方が「わぁ!」ととても嬉しそうにしていて、椅子から跳び上がらんばかりになっていました。また或る人は口元に両手を重ねるようにして身じろぎもせず聴き入っていました。
今日も歌を通じて心満ちるひとときをご一緒できました。「もう、最高!」と感激した様子のおじさまがいました。食欲の秋でおなか一杯ではなく「胸いっぱい」というところでしょうか。
お帰りになるみなさんは大きな笑顔で演奏家と握手を交わしていました。また来月よろしくお願いします!