お知らせ

みやぎの「花は咲く」合唱団_11月

2017.11.22

≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
かつて宮城野区の仮設住宅にお住まいだった方や津波被災地域にお住まいの
おおむね60歳以上の方々と毎月1回合唱の練習をしています。
2013年10月から続いている活動です。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)

急に寒くなりましたね。今朝も気温0度台の仙台でしたが、寒さに負けず今日も練習がんばりましょう!久しぶりに顔を出したメンバーがいて「わあ!元気だった?」と和気藹々な様子でした。歌もパワーアップしそうです。
いつものように講師はソプラノ齋藤翠さん(仙台オペラ協会)とピアノ目々澤亜紀さんが務めます。ウォーミングアップでは寒さでガチガチの肩や背中をマッサージし合ってほぐしました。「あ~気持ちいい」「ずっとこうしていたいわ~」「うちで肩揉んでくれる人いないからさあ」などいろんな声が聞こえてきました。写真で見るとみなさんいい笑顔ですね。からだも心もほぐれていくのがわかります。

発声練習では「背中に息を入れるイメージで」「下腹に締めた帯がたるまないようにおなかを張るイメージで」など、しっかりと声を支えるための呼吸を目指したアドバイスがありました。胴体が全方向に膨らむ感覚がつかめるといいのですが、さてどうでしょうか。あせらず、いずれ感得していただければさいわいです。
その後は『見上げてごらん夜の星を』の練習に移りました。この合唱団ではこのところ掛かりきりになっている難曲です。特にアルトパートは若干停滞気味な感じがあったので、今日は思い切って席替えし気分も一新しました。

だいたいの大まかな音程の動きは覚えていただいたようですが、正確な音程にはほど遠い様子です。そこで翠さんは「耳の後ろに手を当てて《耳スピーカー》にして自分の声に敏感になりましょう」と言いました。アルトパートのみなさんが試してみると「あ、よく聞こえるね」と、さっそく歌の音程に変化が表れました。フラットやシャープのついた上がり下がりが丁寧になり、声が揃ってきました。おお、やればできるじゃないですか!こういうちょっとしたコツって大事ですね。自分の声が聞けるとおのずと他の人の声も聞けるようになり、「いま自分たちでハーモニーをつくっているのだ」という実感が取れるのではないでしょうか。

ソプラノパートは軟口蓋を上げること、同じ音が続くときはちょっと高めをねらって上っていくつもりで歌うことを繰り返し練習しました。縦長に口を開けることはだいぶ身についてきた様子ですが、口の中まで高く保つことまではなかなか気が回りません。基本の「あくびを我慢したときのように」「大きなあめ玉を舌に載せた感じで」は毎回指摘されますが、基本だからこそきちんと覚えたいですね。その様子を聞いていたアルトパートは「あ、ちがうねえ…」と上顎の位置によって声の質が変わることを聞きとっていました。違いがわかってくるといずれは自分の技術として体得できるはずです。アルトさんも是非覚えてくださいね!

 

さて音程が整ってくると、今度は表現が気になります。音程に慎重になるあまり、目の前の楽譜を相手にひそひそこそこそ歌っているようで、歌の世界が小さくなってしまいました。合唱は言うなれば「歌を通したコミュニケーション」ですから、誰かに届いてはじめて歌が完成するわけです。メンバーを二手に分け、それぞれ向こう側の人に声を届けるイメージで歌うことにしました。すると、みなさんは自然に顔を上げて、あちら側の人びとに話しかけるような歌い方になりました。歌い掛ける相手の顔が見えると、歌う本人の顔が明るくなって、歌声も伸びやかに聞こえてきます。いいですねえ。こういうアクティヴで具体的な練習方法は良い刺激になることでしょう。

あっという間に時間は過ぎて、練習時間が足りないくらいでした。次回の練習まで今日の成果が少しでも残っていることを期待しましょう。鼻歌でもいいので一日1回は歌ってみてくださいね。よろしくお願いします。