お知らせ

田子西中央「クリスマスファミリーコンサート」へ

2017.12.16

仙台市宮城野区の田子西地区は防災集団移転地区として造成開発されてきた地域で、大規模な集合住宅や戸建て住宅が見る見るうちに建ち並び、この数年の変化は目覚ましいものがあります。移転に伴い人口も急増し、田子西町内会、田子西中央町内会、田子西三丁目町内会と、複数の自治会ができました。
今日はその中の田子西中央町内会へ復興コンサートをお届けに行きました。家族みんなで楽しい時間を過ごせるようにとのご希望で「クリスマスファミリーコンサート」と題しました。

出演はファゴット髙橋あけみさん、フルート大泉水季さん、ピアノ石川祐介さんです。大泉さんと高橋さんは山形在住の音楽家で、「今日は雪がなくてよかった~」と安堵の笑顔で到着しました。穏やかな天気でよかったですね。
さて、会場には次から次へ人がやって来て、町内会長さんは「こりゃ予想外だ!」と追加の椅子を並べながら嬉しい悲鳴を上げていました。赤ちゃんからお年寄りまで50名を超える参加者があり、集会所はびっしり満員になりました。最前列では元気いっぱいの小学生がワクワクしながら待っています。「こんなに人が入ったのは見たことないよ」と会長さん。その賑わいぶりに演奏家も「すごい!」と驚いていました。
プログラムはこの時季ならではのラインアップです。アンダーソン『そりすべり』に始まり、チャイコフスキー『くるみ割り人形』メドレーやクリスマスソングメドレーなど、楽しい曲をたっぷりとお聴きいただきました。大人向けには『たきび』『ペチカ』などの冬の唱歌メドレーがありました。

楽器紹介コーナーで、大泉さんはウィスキーの瓶や栄養ドリンクの瓶を持ち出してフルートの仕組みを解説しました。「瓶を吹いてみたことある?」との問いかけに「ある~!」と何人もの子供が手を挙げました。大泉さんは瓶に水を入れて、空洞の大きさの変化と音程の関係を説明しました。なんだか小学校の理科の時間みたいですね。
普段はグランドピアノを演奏する石川さんですが、今日は電子ピアノのことも懇切丁寧に説明してくださいました。男性の演奏家は男の子たちのあこがれの存在として映っているかもしれませんね。本当なら譜面台を取り払って軽やかな指づかいを見せたいところでした。
続いて髙橋さんは「ファゴットの認知度を上げるのが私の使命です!」との意気込みで、名前の由来や構造、演奏のしかたなど、普段あまり見ることのないファゴットの裏も表も紹介しました。「ファゴットの全長はこのぐらいです」と2.6メートルの長さのロープを掲げると、客席が「お~」「すご~い」とどよめきました。

裏面は銀色の金具がびっしりついていてメカニックな表情をしています。「オーケストラの中で10本の指を使うのはピアノとファゴットとだけなんですよ」との話には「へえ~」と感心しきり。さらには楽器を分解して、組み立てながら『線路はつづくよどこまでも』を演奏しました。ビービー鳴るだけのリードから部品が組み上がっていくにつれだんだんと音程が出てきて、音色も深く豊かになっていくのがわかります。最後は先端に付けておいたゴム手袋がぷう~っとふくらんでみんなに手を振るという仕掛けになっていました。これには子供も大人も大喜び、拍手喝采が沸きました。

あっという間に時間は過ぎて、アンコールでは子供たちに『夢をかなえてドラえもん』をプレゼントしました。「一緒に歌ってくれる?」と演奏家がたずねると「うたうー!」と子供たち。演奏が始まると、元気いっぱい目いっぱいの歌声が会場中にこだまして、大人たちも「あははは」「いいねえ」ととても楽しそうでした。子供たちが元気だとそれだけで大人はうれしいものですよね。今日はむしろ大人が子供たちからプレゼントをもらったのかもしれません。みんなどうもありがとう!会長さんもご満悦の様子でした。

終演後は演奏家もお茶会に参加しました(子供たちはもう外で野球を始めていました!)
おばさまたちの間に座って、髙橋さんも大泉さんも親戚みたいに和んでおしゃべりしていました。
或る方が「体が不自由で劇場には行けないから、ここで生の演奏が聴けて本当にうれしかった」と言いました。芸術家が町に出掛けていくこと、人びとに出会いに行くことが求められていることをここでもまた感じました。
会場を後にする演奏家に町内会の方々は「また来てね~」と盛んに手を振っていました。楽しく賑やかな時間をありがとうございました。みなさんどうぞ良いお歳を!