お知らせ

田子西三丁目「ファミリークリスマス会」へ

2017.12.23

仙台市宮城野区の防災集団移転地区である田子西地区のほぼ南端に田子西三丁目町内会があります。真新しい戸建て住宅が整然と並ぶ一角に集会所があり、今日は町内会主催のクリスマス会が行われることになりました。その第一部として復興コンサートをお届けに行きました。出演はソプラノ千石史子さんとピアノ及川久美子さんです。お二人は高校合唱部から続くおつきあいだそうで、息の合った演奏を聴かせてくださいました。
 「ファミリークリスマス会」の名どおりに、会場には赤ちゃんからおじいちゃんおばあちゃんまで、たくさんの人が集まりました。町内会の役員さんたちは準備万端、みんなサンタ帽をかぶって来場者を待ち受けています。こんなにサンタ密度の高い町内会は珍しいですね。子供たちはお菓子の入った袋を手渡されてニコニコしていました。畳の部屋は足の踏み場もないほどに小さな子たちとお母さんで賑わっていました。
演奏家が登場すると、そのドレス姿に「わぁ!」「あら~!」とあちこちから歓声が上がり、会場がぱあっと華やぎました。コンサートはグノー『アヴェ・マリア』から始まり、古今東西の親しみ深い歌や家族向けの楽しい歌がたくさん披露されました。
その中で、シベリウス『5つのクリスマスソング』は原語のちょっと不思議な響きが印象に残る作品でした。フィンランドに詳しい千石さんならではの演奏ですね。
おなじみの日本のうた『赤とんぼ』は特に大人が目を閉じてしみじみと味わっていました。哀愁あるメロディと郷愁さそう詩的世界は時代を超えて身に染みます。
『ドレミの歌』では千石さんがマリア先生役になり、会場の皆さんとともに手拍子をしながら歌いました。みなさん弾んで「ドミミ、ミソソ…」と楽しそうに応えていました。また、『きよしこの夜』も一緒に歌いました。子供と大人がともに歌う様子が平和でいいですね。この平穏がいつまでも続きますように、と思いました。
最後のアンコール曲は『アメイジング・グレイス』でした。神への感謝を歌うこの曲に乗せて、この一年のことやこれまでの思い出が走馬灯のように思い出されます。歌声の最後の余韻まで聴き取って、うわっと大きな拍手が会場いっぱいに響き渡りました。
コンサートの後はクリスマスツリーの点灯式があり、カーテンを閉めて暗くした会場全体にイルミネーションがきらきらとまたたきました。その後はおやつの時間です。演奏家も一緒に、お茶を飲みおしゃべりし、楽しく温かなひとときを過ごしました。
この町内には子供が多くて、普段から賑やかなのだそうです。或る役員さんが「うちには孫がいないけど、向こう三軒の子供たちがいつも遊びに来るの。外孫みたいなもんだね!」と言っていました。町全体が大きな家族のようになって、地域の大人に見守られながら子供が健やかに育つ環境は一つの理想ですよね。今日のコンサートが「なんだか楽しかったなあ」と子供たちの記憶の片隅にでも残ってくれたら嬉しいです。
町の歴史はまだ始まったばかり、新しい年はどんな年になるでしょう。
おかげさまで今年最後の復興コンサートを無事終えることができました。関係者およびご来場の皆様、どうもありがとうございました!