お知らせ

みやぎの「花は咲く」合唱団_正月特訓

2018.1.12

≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
かつて宮城野区の仮設住宅にお住まいだった方や津波被災地域にお住まいの
おおむね60歳以上の方々と毎月1回合唱の練習をしています。
2013年10月から続いている活動です。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)

さあ今年も楽しく歌っていきましょう!数日来の寒波に負けず、メンバーはじめ講師の齋藤翠さんと伴奏の目々澤亜紀さんもはつらつと登場しました。みなさんお元気そうで何よりです。

いつものウォーミングアップの後にはのど慣らしに『北上夜曲』を歌いました。東北にちなんだ懐メロです。北上川の滔々とした流れを思わせる哀愁ある曲調の、去った恋へのやるせない想いを歌った作品です。翠さんが「恋の歌を書く作詞家は日本も西洋も男性が圧倒的に多いのですが、男性の方が恋愛詩に長けているのでしょうかねえ」と言うと、「そりゃあ女は現実的だもの、ねえ」と頷き合うご婦人たちなのでした。
さて、新年最初の合唱練習は通常より時間を延長しての特訓です。昨年末にやり残したさまざまな課題にしっかり取り組んで行こうではありませんか。
基本に立ち戻って口の開き方から改めて確認しました。口をむやみに大きく開けるのもよくないとのことで、みなさんは顎関節の動きを指で触れながら、ほどよい開き方を探りました。そして、母音の「え」も「い」も口は縦方向に開けることを徹底しました。

今日の頻出ワードは「レガート」「上あごで歌う」「母音こそ美しく」「息の的を絞る」です。シニアらしい大人の雰囲気を活かした表現を求めてのアドバイスです。メンバーは忘れないように楽譜に書き込みながら練習します。あるメンバーが「新しい楽譜がほしいんですが…」とスタッフのもとへやってきました。見れば、今使っている楽譜が赤えんぴつの書き込みがびっしりと。熱の入った勉強ぶり、たのもしいですね。
お昼休みもそこそこに切り上げて、午後はまた新たな課題に挑戦です。緊張を克服するための練習として、チームに分けて発表し合うミニ本番体験を試しました。まずはくじ引きで1曲を決めます。そして、舞台上手より登場し、歌い終わって退場するまでの一連の流れを実践しました。

かつてなかった新機軸にざわめく一同。いつも一緒に歌っている仲間ですが、「観客」と意識したとたんにみなさんガチガチの緊張ぶり、表情は硬く、歌声はかぼそく、息も絶え絶えの様子です。あんなに歌えていたはずなのに!とメンバーの中に動揺が走ります。合唱は確かにチームワークですが、同時に個人として自律的に歌えてこそ、なんですね。
ああ現実はキビシイなあ…と思われたところ、翠さんは「このチームは歌の雰囲気が出ていた」「こちらはハーモニーがすてき」「ここは姿勢と表情がよかったですよ」と良いところを見つけてみんなを励ましました。お互い聴きあうことでメンバー自身にもさまざまに気づきがあった様子で、この実験はとても勉強になっていたようです。「ああリベンジしたい!」と息巻く人もいました。

たっぷり歌ってちょっとくたびれましたが、メンバーは何か手応えを感じているようでした。この調子で3月までがんばりましょう!健康第一で今年もよろしくお願いします。