お知らせ

田子西中央「出張うたカフェ」

2018.3.23

仙台市宮城野区の田子地区は震災後に大規模開発され、防災集団移転地区となりました。集合型および戸建ての災害公営住宅が立ち並ぶ真新しいまちです。この地区で最初に完成した田子西市営住宅で毎月開催している「うたカフェ」を、隣接する田子西中央町内会から「うちでもぜひやってみたい!」という要望が寄せられ、その声にお応えして出張することにしました。
音楽リーダーは田子西でもおなじみのソプラノ岩瀬りゅう子さんとピアノ富樫範子さん、そして今日は岩瀬さんのお弟子さんの菊地隆平さんも登場です。うたカフェのもう一つの柱である美味しいコーヒーを提供してくださるのは喫茶ひこのマスター西垣さんです。うららかな陽気に誘われてか、会場にはおよそ20名の参加者が集まりました。

ウォーミングアップは指の体操から始まりました。ひらひらと右に左に揺らした後は、一本ずつ順に立てていきます。シンプルですが意外にすんなりいかないものです。「あれ?薬指が…」ととまどう声があちこちから聞こえました。そして指を突き合わせたり、くるくる回したりするとさらに難易度は上がって、「あー!」「むずかしい!」とひとしきり盛り上がりました。
今日は花にちなんだ歌の特集です。『みかんの花咲く丘』『花』『たんぽぽ』『すみれの花咲く頃』と、色とりどりの花畑のような曲が並びました。

瀧廉太郎の『花』では「お友達とハモれるように、今日は低音部を歌いますよ」と岩瀬さん。いきなりハードル高いなあと心配しましたが、意外なことにほとんどの方がすんなりと歌えていました。ある男性は「これ中学校でやったよ!」と得意そうな様子でした。三つ子の魂何とやらですね。
『すみれの花咲く頃』は岩瀬さんと菊地さんが歌うところに、有名なサビの部分だけみなさんで歌っていただきました。エレガントな旋律と歌詞に身を任せて、みなさんゆったりとスイングしながら歌っていました。素敵な昼下がりの光景です。

 

この新興住宅地域にはまだ喫茶店らしきものがないため、西垣さんの淹れる本格コーヒーは大人気でした。コーヒーの香りに包まれながら、岩瀬さんと菊地さんは星野富弘作詞、なかにしあかね作曲の歌をそれぞれ披露し、みなさんうっとりと聴き入っている様子でした。
1時間があっと今に過ぎて閉会の時刻となりましたが、拍手は鳴りやみません。予定外のアンコールに演奏家があわてて鞄から楽譜を発掘してくる場面もありました。出口では「楽しかった~!」「またきっと来てね」「声を出すっていいねえ」と、みなさん楽しそうな様子で帰っていきました。喜んでいただけて何よりです。またきっと次回があることでしょう。そのときはよろしくお願いします!