お知らせ

泉中央南「歌声サロン」_4月

2018.4.10

仙台市泉区の復興公営住宅で2015年10月から「歌声サロン」を始めました。
復興センターでは音楽家をコーディネートし、
泉中央南町内会と協働してこのサロンを運営しています。

時はまさしく春爛漫。この復興公営住宅のそばに流れる七北田川の岸辺では、樹々の梢が萌え出して柔らかな緑色がふんわりと景色をやさしく見せています。会場の窓から見える若い桜の樹はちょうど満開で、もうそれだけで気分が明るくなります。参加者のみなさんも「きれいだねえ~」と目を細めています。本日の歌声サロンには33名が集まりました。「暖かくなってくると出かけたくなるのよね」「そうそう」と、にっこり嬉しそうな方が何人もいました。

さて、毎回設えや衣装に工夫を凝らしてくださる音楽リーダーのメゾソプラノ後藤優子さんとピアノ田村聡子さんですが、今日は桜色や花柄の装いで登場し、春の明るさにさらに華を添えました。
いつもの準備体操も心なしか両腕が伸び伸びとしているように見えました。寒さが緩んで肩凝りも軽減しているのでしょうか。頭上にあげた指先が日本舞踊かバレエの振りのように美しい人もいて、意外な一面を見るような思いがしました。ステキです。

今日の課題曲は『仲良し小道』『宗谷岬』『アンコ椿は恋の花』の3曲です。いずれも情景が目に浮かぶ歌ですね。おりしもこの数日は市内の小学校で入学式が行われており、大きなランドセルを背負って駆け回る子供たちの姿があちこちで見られます。「いつも学校へみよちゃんと~♪」と歌うみなさんは右に左に弾んでとても朗らか。「懐かしいわ~」という声があちこちで聞こえました。
一転してゆったりした三拍子の『宗谷岬』は北海道の大らかな自然を感じさせるようで、心が落ち着き、気持ちがせいせいとしてくる歌です。歌っているみなさんもとても気持ちよさそうでした。
伊豆大島を舞台にした『アンコ椿』には、実は海や山など雄大な景色が織り込まれています。イメージしながら歌うと声が遠くへと伸びてゆくようです。都はるみならではのコブシの回しや鼻から抜ける高音の「ん」はけっこう難しいですが、優子さんが全身を使って指揮するので、それに導かれるようにして「あぁんん~こぉ~」のサビもばっちり決まりました。「いや~歌ったねぇ」というような爽快感が客席に漂いました。

ティータイムのミニコンサートでは、メンデルスゾーン『歌の翼に』と日本の春のうたメドレーが演奏されました。古今東西、表現の仕方はちがえども心に響くものは何か共通するものがありますね。ドイツ語の歌曲にうっとりと聴き惚れる方、『朧月夜』『春』をともに口ずさむ方など、それぞれに演奏を堪能している様子でした。春の光に包まれて音楽に身をゆだねる豊かな昼下がり、美しいひとときだなあと思いました。

こちらの町内会のご協力で今年度もこのサロンは継続する運びとなりました。「町内会でもいろいろイベントを企画するんだけど、このサロンが参加者が一番多いのよ」と或る役員さんが言いました。ありがたいことです。皆さんが元気になったりお友だちが増えたりするよう私たちスタッフもいつも願っています。今後とも一緒に楽しい時間を創っていこうではありませんか!