お知らせ

川の上・大地の会「うたごえ広場」_5月

2018.5.2

石巻市小船越地区には現在もプレハブ仮設住宅群がある一方で、近くの大規模な防災集団移転地・二子団地への移転が徐々に始まっている、変化めざましい地域です。
この地域に根差したコミュニティづくり、人材育成を主眼に活動する川の上プロジェクトは、月に一度、高齢者を対象にした健康づくりサークル「大地の会」を主催し、高齢者のための筋力トレーニングや認知症予防の脳トレなどに取り組んでいます。
季節に一度、この会に「うたごえ広場」をお届けしています。音楽リーダーは石巻市在住の声楽家・渡邉かれんさんと東松島市在住のピアニスト楠田由貴子さんです。
地域の人びとの交流の場、子供たちの学びの場としてリノベーションされたばかりの〈耕人館〉は白壁に木のぬくもりを感じるデザインのおしゃれなスペースでした。声がよく響いて、歌うととても気持ちが良いですね、みなさんの歌が一段と上手に聞こえます。
今日はこの時季に合わせて『朧月夜』『こいのぼり』『鯉のぼり』を歌いました。かれんさんは文語体の歌詞を現代語で朗読し、みなさんはその言葉を味わい、その情景を思い浮かべながら歌いました。花の匂い、春霞の湿度、そよ風の感触。イメージ力をちょっと働かせるだけで、表情や歌がいきいきと変化しました。

かれんさんは「頭声の練習に、ゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじの声をやってみましょう!」と意外な提案をしました。みなさんは一瞬「ええっ!?」とたじろぎつつも「おい!鬼太郎!」とかん高い声を出して大笑い、おもしろい発声練習法があるものですねえ。
会場の佳い響きに誘われてたっぷり歌ったあとは、かれんさんと楠田さんによるミニコンサートをお楽しみいただきました。春にちなんだイタリア歌曲の小品と、ショパンの歌曲が演奏され、「じつは今日が初披露です」というポーランド語の新鮮な響きにみなさん耳を傾けていました。

今日の参加者の中には大病を克服したという80歳の方や「初めて来ました」という90歳の方がいました。どの方もとてもお元気そうで、何より声を出して歌うことを本当に楽しんでいらっしゃる様子でした。この元気が少しずつ広がってやがては新しい町全体がいきいきとしてくることを願って活動していきたいと思います。
次回は8月、どうぞよろしくお願いします!