お知らせ

4年ぶりのこんにちは

2018.6.22

仙台市太白区の富沢地区は地下鉄終点駅がある住宅街で、東日本大震災直後は宮城県南部や福島県などから多くの人が避難してきました。富沢地区社会福祉協議会では定期的にサロンを開催するなど、避難者と地域住民の交流を図って来ました。7年が経った現在、かつて富沢に避難していた人たちは自分の故郷に戻ったり、よその土地に移住したりしましたが、この町を第二の故郷と慕い、畑作業やサロンなどの機会にはわざわざ通って来て、交流はいまだに続いているそうです。
真っ青な空に白い雲が浮かんで美しい日です。会場には約90名の参加者が集まり、文字通りの満席となりました。本日の出演は杜の弦楽四重奏団(ヴァイオリン叶千春さん&駒込綾さん、ヴィオラ齋藤恭太さん、チェロ塚野淳一さん)です。

震災復興支援の一つとして4年前に始まったこの「ふれあいコンサートin富沢」は9回目を数えます。復興センターでは4年前の5月に別のトリオ編成で復興コンサートをお届けしたことがあるのですが、実はその時駒込綾さんが出演したのでした。4年ぶりの再会に駒込さんが「あの日が私にとって最初の復興コンサートだったので、とても緊張していたことを覚えています」と語りました。客席の中にも「そう言えば、あの時の!」と覚えている人がいました。山形在住の駒込さんは震災当初「遠くで何もできずに悶々としていました」とのこと。その時のコンサートをきっかけに、以来この4年間で数多くの復興コンサートにご参加いただいています。この歳月、聴く人にも演奏する人にもさまざまな変化があったことでしょう。

プログラムはクラシックの名曲、東北の民謡、昭和歌謡など幅広く、みなさんは一緒に口ずさんだりリズムを取ったりしながら思い思いに楽しんでいました。モーツァルトやバッハなどの曲では弾き終わった後の余韻までしっかり聴き取ってくださっていました。ヴィヴァルディの『春』が始まると「ぅわぁ…」と客席からため息のような静かな歓声があがりました。お客さんは千春さんのトークにしみじみし、塚野さんのトークに爆笑しながら、演奏には集中して耳を傾けていました。最後は「アンコール!」と特に男性からの熱い声を頂戴し、演奏家もとても嬉しそうでした。
弦楽のやさしい響きと皆さんの温かな歌声に包まれた穏やかな昼下がり、音楽を通じた交流がそこにはありました。