お知らせ

若林西「うたっこ会」_7月

2018.7.4

仙台市若林区の復興公営住宅で2015年9月から「うたっこ会」を始めました。
季節に一度、みんなで歌うことを楽しむ会です。
復興センターでは音楽家をコーディネートし、

こちらの町内会〈せせらぎ会〉と協働して企画を運営しています。

昨日までの猛暑が少し落ち着いて、今朝の梅雨空が嬉しく感じます。季節に一度のうたっこ会、今日は七夕仕様です。会場には町内会の皆さんが手づくりした本格的な竹飾りが設置されていました。見事ですねえ。参加者はいつもより男性の姿が多く見え、初参加の方も何名かいらして、賑わいが増しています。「待ちきれなくて来ちゃった」と30分以上前に来場した方もいました。その期待に応えられるようがんばります!

さて、音楽リーダーのメゾソプラノ後藤優子さんとピアノ田村聡子さん、今日は青と白のコーディネートでさわやかに登場しました。七夕飾りに彩られた豪華ステージでいっそう気合いが入ります。
七夕にちなんだプログラムということで、お2人は島倉千代子『七夕おどり』も用意してきました。これは昭和40年代の仙台市のご当地ソングで、盆踊りの定番曲です。後藤さんが「よろしければどうぞ踊ってくださいね」と促すと、町内会長さんが「さあみなさん、練習しますよ!」と率先して輪に加わりました。この町内会では来月初めに夏祭りを予定していて、そこでこの踊りをやるのだそうです。ちょうどいいタイミングでしたね。

恥ずかしがって輪に入らなかった人も座席で小さく踊っていました。「オレ石巻出身だからこの歌は知らないんだ」と言う方も見よう見まねで面白そうに両手をひらりひらりとさせていました。曲が終わると、わっと大きな拍手が沸いて、歌う人も踊る人も双方の健闘をたたえ合いました。「あ~気持ちいいねえ!」との声が聞こえてきました。歌や踊りで気持ちを開放すると爽快ですよね。

後半のミニコンサートで、後藤さんと田村さんは息の合ったハーモニーでザ・ピーナッツのナンバーを披露しました。前奏が鳴った途端、軽快なリズムに乗ってスイングしはじめるご婦人がいました。男性は一見クールそうで、実はつま先でさかんにリズムを取っていたりして、会場全体がノリノリな空気になりました。
最後に『涙そうそう』が演奏されると、雰囲気は一転し、参加者はじっと食い入るように演奏家を見つめて、そのうちにほろほろと涙をこぼし始める方が何人かいました。演奏家二人の歌声はそんな人たちの肩をそうっと包むようにやさしく響きました。

終わって町内会長さんが「先日、仙台フィルの演奏会に行きました。そこで震災後の活動が紹介されていたのですが、『音楽の力』って本当にそうだなと思いました。まさにこうやって音楽の力を届けていただいて、私たちは元気をもらっています。ありがとうございます」と言いました。演奏家は「私たちの方がみなさんから元気をいただいています。ありがとうございます」と応えました。参加者のみなさんはうなずきながら温かな拍手を贈っていました。
終演後は七夕スペシャルのお食事会、みんなでお昼ごはんとおしゃべりを楽しみました。「オレの好きな音楽って言うと演歌だからさぁ」と言うおじさま方からいくつかリクエストをいただきました。いずれプログラムに反映できたらと思います。今後もどうぞ恥ずかしがらず、またご参加くださいね!