お知らせ
塩竈「夏休みこどもコンサート」へ
- 2018.7.23
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宮城県塩竃市で長年にわたり被災者支援活動を行なっている「えぜるプロジェクト」では、今年度から復興公営住宅の清水沢東住宅の集会所で週に一度の「こどもカフェ」を始めました。放課後のもうひとつの居場所として、子供たちが遊んだり宿題をしたり、安心して楽しく過ごせる場を設けています。
今日は夏休みの特別企画として、こどもカフェに「夏休みこどもコンサート」をお届けしました。出演は仙台オペラ協会ソプラノ齋藤翠さんとテノール佐藤淳一さん、ピアノ掛田瑤子さんのトリオです。ご近所の清水沢保育所の子供たちもやってきて会場はたいへんな賑わいになりました。
オープニングでは、淳一さんと翠さんがヴェルディ『乾杯の歌』を歌いながら後ろのドアから登場しました。オペラ歌手の大きな歌声に「わー!」と面白がって耳をふさぐ真似をする子や、びっくりしてゲラゲラ笑い出す子がいました。その素直な反応に演奏家もにこにこ楽しそう。保育所や小学校でよく歌っている曲やアニメソングのほかに、イタリア語のカンツォーネも交えたプログラムで子供たちも保護者やスタッフの大人たちも楽しめるコンサートでした。
翠さんは子ブタやイヌのぬいぐるみを使いながらやなせたかし作詞のやさしい歌をうたいました。保育園児が目をきらきらさせて見ていました。
掛田さんはみんなに手元を見てもらえるようにとピアノを後ろ向きにして、リストの『ため息』を独奏しました。両手が素早く行ったり来たり交差したり、まるで二羽の鳥がダンスしているような様を子供たちはあっけにとられて見つめていました。
淳一さんが『オー・ソレ・ミオ』を歌いますと、今度はスタッフのおばさま方からわっ!と大きな拍手が沸いてやんやの盛り上がりをみせました。
コンサートの最後に『ビリーブ』をみんなで歌いました。この歌はしばしば演奏されるものですが、今日は何と小学生の高学年の子たちが自発的にハーモニーを付けてくれて、きれいな二部合唱になりました。お兄さんお姉さんたち、さすがですねえ。
終演後は演奏家もみんなと一緒にカレーライスを食べました。みんなとおしゃべりをしながら食べるカレーは一段と美味しかったかな。主催者の話では、今日のコンサート+ごはん会は初めての試みでしたが、手応えを感じたようです。震災の影響で住まいや職を失い、経済的に余裕のない家庭が増えました。そんな状況で育つ子供たちに芸術のもつ豊かさや人生を切り拓いて行く力を手渡していくことが芸術家のできることではないかと思います。
今日は子供たちの歌声に大人たちはいっぱい元気をもらいました。どうもありがとう、また会えるといいね!