お知らせ

みやぎの「花は咲く」合唱団_7月

2018.7.25

≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
かつて宮城野区の仮設住宅にお住まいだった方や津波被災地域にお住まいの
おおむね60歳以上の方々と毎月1回合唱の練習をしています。
2013年10月から続いている活動です。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)

猛暑の疲れが出たのか今日の参加はちょっと少なめの19名でしたが、講師の齋藤翠さんの熱い指導で充実した練習会となりました。ウォーミングアップの豪快な股関節回しもだんだん慣れてきて、ぐるりぐるりと左右の脚を回す姿も安定してきたように思われます。
発声練習では新しい呼吸法を試しました。「深く吸って」「腹式呼吸で」というのは言葉では理解したつもりですが、うっかりするとすぐ呼吸が浅くなって、腹式呼吸が身についているとまだ言えないところがあります。

翠さんは「音をさせながら鼻から吸ってみましょう」と言いました。鼻の奥から軟口蓋、気道を通って胸のあたりを鳴らすようなイメージで息を吸います。小さないびきのような感じでしょうか。すると、ぐっと空気の太い道が通ったような感じがして、腹の底へ息がすとんと落ちてゆくのでした。なるほど、これはいいですね。しかし、歌に合わせてやってみると、吐く分よりも多く吸えてしまうのでコントロールしきれない感じです。ここはしっかり練習する必要がありますね。

歌い始めた途端、すぐに指揮の手が止まり「空気が全く動いてないです」とのコメントに全員が「ははは…」と苦笑い。「ご自分の周囲の半径1メートルの空気を動かすつもりで歌いましょう」と出だしからさっそく檄が飛びました。
歌う中で、ソプラノパートがしばしば注意されることに「母音をつぶしている」「音程が下がる」ということがあります。「口をたてに開けてくださいね」「〈え〉の母音はむしろ〈あ〉のように発音していきましょう」「言葉の響きは頭の後ろ側につくるイメージで」と翠さんからのアドバイス。会話の発音と歌唱の発音は別物と心得て、そういう細部をたのしんでやれるとさらに上達することでしょう。
また、声も引力の影響を受けるのか、放っておくとどんどん音程が下がっていきます。一定に音を伸ばすというのはなかなか難しいことです。
「ボールを遠くへ投げるように、意識を斜め上に向けて」との指導で、何名かが「わ、首が伸びた!」と驚きの声を上げました。それにつれてきちんと音程の取れた声がのびやかに出ていたのです。
「操り人形やトンボの頭のように自由自在に動くようなイメージを持つといいかもしれません」と翠さんが言うと、みなさんは「え、トンボ!?」と笑いました。
練習を続けていると大小さまざまの発見があり、人間のからだは面白いなあという気づきがありますね。人体は小宇宙とも言われますから、歌うことを通じて探求の旅をしているようなものでしょうか。何歳になってもそんな好奇心や向上心を持っていたいものです。何はともあれ健康第一で、また来月よろしくお願いします!