お知らせ

気仙沼④「恵潮苑 夏祭り」

2018.7.28

メゾソプラノの後藤優子さん、ピアノ・シンセサイザーの菅野静香さん。連日の暑さの中、2日間4公演に亘るハードスケジュール、最後の公演は、気仙沼・東新城にある特別養護老人ホーム恵潮苑での「夏祭り」へのアトラクション出演です。

入居者70名、職員40名、そして気仙沼市立病院付属看護学校と、本吉響高校からのボランティア10名、ご家族も30名近くが参加して、総勢150名近くが集まる大規模な「夏祭り」。職員のみなさんも、全員が浴衣や半纏に着替え、雰囲気づくりに一役買っていらっしゃいます。普通の食事では飲みこむことが難しい皆さんにも、たこ焼きや焼き鳥を楽しんでもらえるようにと、細かくして食べやすくしたり、ゼリー状にしたり…と、職員さんたちの工夫がたくさん施された屋台。そして、会場いっぱいに提灯が飾られて、すっかり準備万端の会場です。全員が車椅子、または、ベッドを少し起こして参加されていましたが、中には浴衣に着替えたり、鉢巻を頭に巻いたり、髪飾りに夏らしい花を差したり、とお洒落をした方も。

ここでは、皆さんに楽しんでいただけるように懐かしい、そして元気の出る曲を凝縮して選曲。「憧れのハワイ航路」が始まるとすぐにあちこちから手拍子が。「夏のメドレー」では「たなばたさま」「我は海の子」「海」の3曲、そして続く「ふるさと」でも、一緒に口ずさまれる姿が見えました。後半は「恋のバカンス」、そしてあっというまの本編最後に、北島三郎「まつり」を。シンセサイザーの本領発揮で、曲の始まりには和太鼓や男性たちの「セイヤッ!」の声もどこからか聴こえて来ます。広い会場に響き渡る本格的な「まつり」サウンドに、職員さんたちも「すごいですね…」と驚いていた様子。たくさん手拍子をするのは難しい方も、手首から先だけを動かしたり、指先で拍子を取ったりと、音楽に乗っている姿が見えました。後藤さんの格好良い「セイヤッ!」の声で曲が終わると、アンコールの拍手が聞こえてきました。用意されていたのは、美空ひばり「川の流れのように」。先ほどまでの勢いのある歌とはまたすっかり変わって、皆さんお一人ずつの人生を讃えるような、気持ちのこもった歌で、コンサートは終了となりました。広い広い会場から、たくさんの拍手に見送られて舞台を降りると、近くで聴いていたおばあさんに握手を求められた後藤さん。にこにこと話しかけてくださるみなさんと一緒に、写真に収まりました。

今回も、2年前に続き、夏の暑い時期に2日間、参加してくださった後藤さんと菅野さん。暑さにめげずに、どの会場でもお客さんに喜んでいただけたらとの一心で、たくさんの曲を準備、アレンジし、本番に臨んでくださいました。子ども達の歌声が、一緒にコンサートを盛り上げてくれた会場も、おばあちゃんおじいちゃんたちが、静かに指先で拍子を取ってくださった会場も、いずれの会場でも、音楽を通して何か、心と心でやりとりできた気のする、何物にも代えがたい時間でした。出演くださったお二人、各会場・公演を準備してくださった皆さん、一緒にコンサートをつくってくださったお客様、そして、今回は恵心寮、旭が丘学園、恵風荘をご紹介いただいたムラカミサポートの村上さん、みなさん、本当にありがとうございました!この後も、いつか、再会が叶いますように…。