お知らせ

川の上・大地の会「うたごえ広場」_夏

2018.8.1

大規模な防災集団移転地がそばにある石巻市小船越地区で、地域に根差したコミュニティづくり、人材づくりを目指して活動する「川の上プロジェクト」は、月に一度、高齢者を対象にした健康づくりサークル「大地の会」を主催しています。復興センターでは季節に一度、この会に「うたごえ広場」をお届けしています。大きな声で歌うことはストレス発散や心肺機能向上など心身両面に良い効果があるので、健康づくりにも適しています。

気温37℃近い猛暑日でどうなることかと心配しましたが、12名の参加者が集まりました。今日の音楽リーダーはソプラノ齋藤翠さんとピアノ高塚美奈子さんです。まずは呼吸のしかたから。胸骨や肋骨を意識しながら、胴体を前に、横に、後ろに膨らますイメージでおなかの底へ空気を吸い込みます。呼吸だけでまた汗が出てきました。
続いて発声練習です。口の開け方や頬の筋肉の使い方のほか、ハミングを応用して鼻腔を意識的に鳴らすワークをやりました。窓の外から聞こえる蝉しぐれに「あんなふうにミンミンゼミの真似をするといいんですよ!」と翠さん。「あははは」とみなさん笑いながらも、わかりやすい例えに納得していたようです。

北上川の流れるこの地域にちなんで『北上夜曲』、季節にちなんで『夏の思い出』などをみんなで歌いました。少ない人数ながらよく声が出ていて、セミの声を上回るほどの音量でした。
「が行やだ行など濁音を歌うときは、押し出さずにむしろ力を抜いてうたうと響きが美しく聞こえますよ」とのアドバイスを受け、何度か練習しました。「夏〈が〉来れ〈ば〉思い〈だ〉す…」なるほど、濁音がけっこう含まれていたことに気が付きました。

お茶休憩をはさんで、音楽リーダーの演奏をお楽しみいただきました。翠さんが有名なミュージカル曲『踊りあかそう』を歌い始めると「わぁ…!」と嬉しそうに小躍りした方がいました。最後にプッチーニ『誰も寝てはならぬ』が演奏されると、みなさんは圧倒されたのか、しんと静まり返って聴き入っていました。演奏が終わると、わっと拍手喝采が沸き、「いったいどこからそんな声が出るの?」と驚嘆した質問が飛んできました。
伴奏の高塚さんに「ピアノソロも聴きたかった!」「せっかくだからグランドピアノで!」と話しかける方がいました。参加者のいきいきした表情に演奏家も嬉しそうに笑顔で返していました。

8月を迎え、ますます暑くなりそうですね。お祭りやお盆など忙しい時季でもあります。みなさんどうぞご自愛くださいね!次回11月も元気でお会いしましょう。