お知らせ
七ヶ浜「お茶っこ会 in 花渕浜」へ
- 2018.9.5
-
昨日、四国・関西などで、大きな被害をもたらした台風21号。被害のあった地域の皆様に、心より御見舞い申し上げます。宮城県は、奥羽山脈のお陰もあってか、昨夜から早朝にかけて、大雨、大風が吹いたものの、今朝は台風一過の青空となりました。
今日お伺いしたのは、七ヶ浜町・花渕浜地区避難所。遠くにおひさまにキラキラと輝く海と、港に入る順番を待つタンカーが見えます。こんなに眺めのよい集会所は、なかなかありません。七ヶ浜町社会福祉協議会主催による「お茶っこ会 in 花渕浜」にて、今回は、スペシャルな回ということで、お茶っこではなく、マリンバとパーカッションによる「なつかしのメロディーコンサート」を開催しました。出演は、先日の松が浜地区避難所に続き、マリンバ・デュオ『桜二重奏』の熊谷昇子さんとホンダヒロヤさんです。三角屋根の高い天井に、マリンバのぬくもりのある木の音色が、気持ちよく響きます。今日は陽気に誘われてか、開場時間前から駆けつけてくださった方も、何人もいらっしゃいました。
白いドレスとシャツで登場したお二人、まずは「東京ブギウギ」から。さっそくの懐かしくノリの良い曲に、客席のみなさんも笑顔がこぼれます。つづく「りんご追分」は、マリンバを熊谷さんが、そして様々な打楽器をホンダさんが担当。ぽっくりで歩くような音や、冬の強い風の音のように聞こえるお手製のマラカスなど、りんご畑の情景が見えるような音の演出に、「へ~」「ほ~」と声が聞こえました。また、自然とつられて鼻歌を歌い出す方もちらほら…。日本のうたメドレーでは、今回も「めだかの学校」でポコポコポコという空気の泡のはじける音がしました(この音の正体はアクリル板です)。
どうやら歌うのがお好きそうなみなさんに、いよいよ「桜二重奏の歌声喫茶コーナー!」パチパチパチパチ、と拍手もいただいて、ホンダさんから「のどの調子はよろしいですか?」の問いかけに、区長さんがタイミングよく「ゴホッ」と咳払いで返す、という息の合った即席コントも登場して、みなさん大笑いです。年代順にとまず最初に選んだのは「リンゴの唄」。1曲目とはいえ、みなさんのやる気の感じられる歌声に「みなさん、歌いたくて、仕方なかったんですね!」とホンダさんが返すと、また、どっと笑い声が溢れます。2曲目の「恋のバカンス」は、歌詞カードを配られた受付で、さっそく社協スタッフと歌い出す方もいらっしゃいました。やはり、みなさんノリノリな様子に、演奏が終わるとホンダさん「みなさん…この曲、好きですね!すぐわかります。」そんな、アットホームなやりとりも、ひとつのフロアで、楽器のすぐ前に座って聴いていただく、このコンサートだからこそのことでした。「学生時代」「青い山脈」と4曲を歌い終わると、最後にホンダさんから「みなさん、今日はぐっすり眠れると思いますよ!」。本当に、大きな声で、気持ちよさそうに歌ってくださるみなさんが印象的でした。
つづく「愛燦々」も、歌詞カードがなくても、演奏に合わせて口ずさむ方が次次と。やはり、みんなで歌うのは、楽しいですね。マリンバの素材である、ホンジュラスのローズウッドが、希少植物となってきていて、その原料である木を購入することが難しくなってきているお話や、マレット(撥)を何種類・何本も用意している理由なども教えていただきました。ポルカ「雷鳴と稲妻」の、お二人の位置があっちにこっちにと移動しながら演奏する楽しさや、「剣の舞」「レスギンカ」のどこまでテンポが速くなるんだろう?!とドキドキするような楽しさ、そしてアンコールの「情熱大陸」まで、あっという間の1時間でした。
最後、七ヶ浜町社会福祉協議会の赤間事務局長さんからは、「マリンバのマレットを持って鍵盤をたたく姿が、この辺りで春になると、お母さん達がみんなやる、わかめのめかぶを、庖丁を両手に持って細かく切り刻む時の様子にそっくりでしたね。来年の春は、このマリンバを思い出しながらやると、上手くいくかもしれないですね」というお話は、なんとも、浜らしいお話でした。
思った以上に、歌声喫茶が盛り上がった花渕浜。終わった後には、楽器をこんなに近くで見る機会もなかなかないと見えて、じっくりと楽器を覗き込んでいかれる方もいらしたようです。ひとつひとつのやりとりも、この、演奏家と客席の距離の近さだからこそだな、と思ったコンサートでした。花渕浜のみなさま、暑いなかをお出かけいただき、ありがとうございました!