お知らせ
雄勝「夏のおわりの童謡ライブ~クラシック×童謡」
- 2018.9.2
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“Musica Verde”のソプラノ都築紘子さん、バリトン鈴木集さん、ピアノ山形佑輔さんと、4年目となる雄勝まちづくり協会/雄勝復興応援隊主催「夏のおわりの童謡ライブ」に伺いました。これまでの会場であった雄勝オーリンクハウスが、惜しくもなくなってしまったので、今年は初めて、雄勝小・中学校の3階、多目的ホールを使わせていただくことになりました。舞台の後ろはオーシャン・ビュー。エアコンはありませんが、時折吹く海風が涼しく感じます。
コンサートの始まりは、ピアノの山形さんだけが登場。前奏が始まると、客席のすぐそばから集さん、会場の後ろの扉から都築さんが歌いながら登場して、モーツァルト『魔笛』から「パパパの二重唱」。クラシックコンサート、どんなだべ…と緊張の面持ちだった客席のみなさまに、お二人の小芝居で、くすっ、と笑っていただけたら、もうこちらのものです。一気に会場の空気が和みました。
二重唱は木下牧子さんの「寂しいカシの木」では、日本語の響きの美しさも感じられる一曲。続くソロコーナーでは、都築さんのビショップ「見よ、優しいひばりを」のハイトーンな小鳥の囀りにお客さんの”びっくり!”な表情が見えました。山形さんのピアノ・ソロでは、ショパン「ノクターン op.9-2」をしっとりと。そして、がらりと雰囲気を変えて、あちらこちらから声の掛かる町の人気者、忙しないフィガロの登場。ロッシーニのオペラ『セヴィリアの理髪師』より「私は町の何でも屋」。ステージから飛び出てくる集さんが、すっかりフィガロに見えてくるハマり方。ここは、どこか、ヨーロッパの劇場だった?と錯覚させられたひとときでした。すっかりお客さんたちも引き込まれ、リラックスされた様子です。再びの二重唱での「Stand Alone」。そしてショパンの「別れの曲」にイタリア語の歌詞のついた素敵な歌は、間奏にピアノソロも挟まれていました。
「さて、みなさんも、そろそろ、うずうずしていらしたのはないでしょうか…?」と、『みんなで歌いましょうコーナー』へ。 輪唱での「もみじ」は都築さん、集さんがそれぞれのパートをリードしてくださり、こんな遊び方も二重唱ならではのことでした。太鼓の音を手拍子、足拍子で付けながらの「村祭り」。椅子に座って歌う、そのときの姿勢に、都築さんから、たのしくワンポイントアドバイスをいただきつつ、高度なパートナーソングにも挑戦。「どんぐりころころ」+「夕焼けこやけ」を、同時に歌う、というのがパートナーソングです。どんぐり組と、夕焼け組に分かれて…これが、初めての挑戦とは思えないほど、なかなか素敵に歌うことができました。最後は「赤とんぼ」で締めくくり。天井の高いホールに、雄勝オーリンクコーラスサークルのメンバーも交えて、すてきな歌声が溢れました。
アンコールには、10月の雄勝文化祭に向けて、オーリンクコーラスサークルと、オーリンクオーケストラが練習中の共演曲、嵐の「ふるさと」を。オーケストラからは、ギター、ハーモニカ、キーボードが参加させていただきました。ご年配の方には、あまり馴染みがなかったかもしれませんが、客席にいた10代20代も中心になって、一緒に歌ってくれました。
まだまだ、お二人の素敵な歌声を、聴いていたい気分もありつつ、残念ながらコンサートはお開きに。「とっても素晴らしかったよ!」「ありがとうね~!」と、みなさんに声を掛けていただきながら、お送りしました。
やっと昨夏から、この校舎で学び始めた雄勝の子どもたち。役場は、まだ、プレハブの仮設庁舎です。そして、我がオーリンクオーケストラにも、今も、プレハブ仮設住宅に住んでいるメンバーも。本当に、“復興”したと心から喜べる日はまだまだ先です。そんな雄勝に、素敵な音楽のひとときを届けてくださった御三方、ありがとうございました!