お知らせ

川の上・大地の会「うたごえ広場」_11月

2018.11.7

3か月に一度お伺いする「川の上・大地の会」。石巻市、旧河北町川の上地区にある百俵館を会場に、おたからサポーターによる健康体操を1時間、そして「うたごえ広場」を1時間。花王・一般社団法人りぷらす・川の上プロジェクトの三者が企画運営していた昨年度を引き継ぐ形で、川の上地区にお住まいの60歳以上の方を対象に、健康づくりの月に一度のサロンを開催しています。「うたごえ広場」の音楽リーダーには、石巻在住のソプラノ渡邉かれんさんと、東松島在住の楠田由貴子さんです。

前回8月は、お休みだったおふたり、久しぶりの再会となりました。「急に寒くなってきて、みなさん、喉の調子はいかがですか?」そんな会話から始まった今日は、秋らしい歌から。「夕焼け小焼け」をみんなで歌います。幼い頃には歌った歌も、こうして口に出すのは久しぶりだったようです。みなさん、懐かしそうです。そして、女性ばかりというだけの理由ではなく、歌声がとても揃っていてきれい!コーラスグループに入っていらっしゃる方も、中にはいらっしゃるようです。歌の途中、「夕焼け小焼け」の歌詞をみんなで朗読してみました。そして、かれんさんが取り出した模造紙には、歌詞の下に、母音だけが抜き出されて書いてあります。「歌として歌う時には、この母音を繋げて感じることが、とっても大切なんです。では、母音だけで、読んでみましょう~」そう言われて、みんなで声を合わせて「う~あえ おあええ いあうええ~」…簡単そうでいて、なかなか難しい!「そうですそうです!そんな風に、母音を感じながら、今度は歌ってみましょう!」さらに難しくなってきました「う~あえ♪ おあええ♪ いあうええ~♪」音に乗せると、ただ読んだ時よりも、少し普通に歌っている感じと近くなってきたでしょうか…「うん!とってもいいですよ!」かれんさんに誉めていただいて、不安に思いながらもやってみたみなさん、少し頬がゆるみます。

続いてはマイク真木さんが歌った「バラが咲いた」。この曲も、久しぶりに耳にしました。改めて、心が明るくなるいい曲だな、と再認識。そしてこの、バラが咲いた、にはお花が咲いたという意味の他に、隠された意味があるのだそうで…みなさんも、調べてみてくださいね。そして、今日はもう1曲「知床旅情」を。こちらも懐かしい歌です。高い音が出てきて、なかなかみなさん難儀していらっしゃる様子。そこでかれんさんから、ワンポイントアドバイス。「♪丘に登れば~と歌った、そのままの口の(中の)形で、次の ♪はるかクナシリに~ も歌ってみましょう!」言われるままにやってみたところ、不思議とさっきよりも声が出やすいことに気付きました!「どこで息吸ったらいいんだべ!」なんて質問も飛び出して、みんなで大笑いになりましたが、「もちろん、息は吸ってください!でも、歌っていた口のまま、吸ってみましょう」とアドバイス。こちらも、みなさんやってみると上手くいきました。ちょっとしたアドバイスで、ぐんと歌いやすくなる。プロでいらっしゃるかれんさんの楽しいご指導で、段々声も出てきているような気がします。

楽しい時間はあっという間。今日はお茶休憩の後に、2曲、かれんさんと楠田さんがミニコンサートを聴かせてくださいました。1曲目はヘンデルのアリア「私を泣かせてください」。数年前の、昼の連ドラの、テーマ曲になっていたのだそうです。「あ~!」「あったあった!」思いがけなところで、知らないうちに耳にしているクラシックの曲が、本当にたくさんあるものです。過酷な運命を受けいれる決意と、悲しみに満ちた美しいメロディーに、みなさんすっかり聴き入っていらっしゃいました。続いて、「泣く」「涙」つながりで森山良子さんの「涙そうそう」を。もう、ここにはいない、若くして亡くなったお兄さんに宛てた歌だとのお話の後に聴かせていただき、じっくり聴いていらっしゃるみなさん、それぞれに、思い浮かぶ人がいらっしゃったのではないかと思います。

寒くなり、参加者が少なくなっている、とお伺いしていたのですが、今日も12名の方が参加してくださり、和気藹藹とした時間になりました。次回の訪問は2月。一年で一番と言ってよいほど寒い頃ですが、また、みなさんとお元気でお会いできますように…。

最後に、今日は朝から、うたごえサロンの間も、会場である耕人館の外を行ったり来たり、そして通りかかる人に「にゃ~ん」と鳴いてはすり寄ってくる、警戒心の全くないのんびり猫さん(実は耕人館の館長?!)。音楽リーダーのお二人とも、猫がお好きな様子。すっかり一緒に寛いでいらっしゃいました。百俵館の周りの山々もすっかり紅葉して、青空に映え、気持ちのよい秋晴れの一日でした。