お知らせ

田子西「うたカフェ♪」_12月

2018.12.21

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌い、
おいしいコーヒーとおしゃべりを楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)

今年最後の「うたカフェ」が開催される田子西の空はすっきりと晴れ渡り、日差しもたっぷり。クリスマス目前の時期とは思えないほどの暖かさです。会場まで自転車を20分漕いでいらしたという方は、会場に着くなり「汗かいちゃった」とマフラーを外していました。

いつもはみんなで歌って楽しむ「うたカフェ」ですが、本日はスペシャル版!クリスマスコンサートをお楽しみいただきます。集まったみなさんも、どこかウキウキした様子でコンサートの始まりを待っていました。
お待たせしました、仙台オペラ協会のソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノ富樫範子さんの入場です!ドレス姿の3人が入ってくると、会場中から「あらー!」「すてきー!」と歓声が上がります。
まずは松本さんと岩瀬さんのお二人によるパッヘルベルのカノン。華やかで優雅な調べが、本日のコンサートの幕開けを告げました。響き合う旋律に、みなさんあっという間に音楽に引き込まれていきます。

 

 

続いて岩瀬さんが歌ってくださったのは童謡の『かなりや』。唄を忘れたカナリヤは山に捨てようか、と切ない調べで始まる曲ですが、最後は明るい調子の旋律に変わり、リズムも軽やかになります。美しいカナリヤが飛び立っていくような今日の青空にぴったりの曲でした。
続いては松本さんによるモーツァルトの『歌え、喜べ、幸いなる魂を』。全三楽章、20分にも及ぶ曲です。「頑張って歌うので、みなさんも頑張って聴いてください」と言われ、みなさん居住まいを正して聴く態勢に入ります。クラシックの曲を20分間も聴く機会はあまりないかもしれませんが、みなさんは会場を満たす松本さんの歌声を身じろぎせず聴き入っていました。「ハレルヤ」と繰り返して曲が終わると、わぁっと拍手が沸き起こり、なかなか鳴り止みませんでした。
コーヒータイム前の最後は、オペラ「魔笛」から『愛の喜びは露と消え』。返事をしてくれない王子に想いを訴えるこの曲を、岩瀬さんが切々と歌い上げます。その視線の先に恋い焦がれる王子が見えるような熱唱を、みなさん真剣な表情で聴いていました。

 

 

さて、ここで一旦コーヒータイム。「喫茶ひこ」のマスター西垣さんが淹れてくれるおいしいコーヒーも今年の飲み納めですね。今年も一年間おいしいコーヒーをありがとうございました。
コーヒーを飲みながら聴くのは『めえめえこやぎ』。優しいメロディにほっこりする曲ですが、岩瀬さんのコミカルな動きと「めぇ~」という鳴き声に会場内からはクスクスと笑い声が・・・。そして松本さんの「こんなに美しい鳴き声の羊は他にいませんよ」というコメントに、大きな笑い声が弾けました。

今日はコンサート形式の回でしたが、最後はやっぱりみんなで歌って終わりましょう!ちょっと体をほぐしてから、『荒れ野の果てに』『もろびとこぞりて』の2曲を歌いました。ついつい歌詞カードを見ることに気をとられてしまうみなさんに、松本さんからは「もっと体を動かして歌いましょう」。さらにクリスマス・キャロはキリストの誕生を喜び祝う曲だと教えてくれた松本さんから「嬉しい!という気持ちを爆発させるように!」というアドバイスを受けると、みなさんの歌声はじつに晴れ晴れとしたものに変わりました。

 

 

今日のプログラムは以上で終了の予定でしたが、このまま終わるのは何だか名残惜しく、アンコールの声が上がりました。その声に応えて松本さんと富樫さんが急いで楽譜を用意し、マスカーニの『アヴェ・マリア』を披露してくださいました。みなさんが迎える新年がよきものとなるよう祈るようなその優しく美しい旋律に、曲が終わると会場からは感嘆の吐息が聞こえ、そして大きな拍手が贈られました。
プロの音楽家による演奏をたっぷり楽しみ、みなさん笑顔で会場を後にしていきます。年末年始は何かと慌ただしいですが、今日のコンサートを心の栄養に、どうぞよいお年をお迎えください。また来年もよろしくお願いします。