お知らせ

田子西「うたカフェ♪」_2月

2019.2.22

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌い、
おいしいコーヒーとおしゃべりを楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)

ここ数日、ぽかぽか陽気の仙台です。会場には毎年恒例の雛段飾りと吊るし雛があって、目を瞠る華やかさでした。この陽気につられたのか、ある常連さんがだいぶ早くにやって来て「あらやだ!時間まちがえちゃった!」と、そそくさと戻って行きました。そんなに楽しみに待っててくださっていたとは…嬉しいことですね。

さて、今日も音楽リーダーのソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノ富樫範子さんは盛りだくさんなプログラムを用意して来ました。松本さんと岩瀬さんは猫の日にちなんで、ネコ科の動物の模様の衣装で登場しました!(松本さんのヒョウ柄は先週の公演の舞台衣装だそうです)
今日の課題曲は「東北にちなんだ歌」とのことで、『どじょっこふなっこ』『荒城の月』『青葉城恋唄』のラインナップです。『どじょっこふなっこ』では、セリフや掛け声を入れたり調を変えたりと、ちょこちょこ小ネタを入れ込んで遊びました。
 
『荒城の月』は作詞家の土井晩翠が仙台出身なのでこの歌は仙臺城のことだと思っていた方が多数でしたが、実は全国に5か所候補地があって「福島の鶴ヶ城が最も有力な候補なんですよ」と松本さんが解説しました。晩翠本人が「鶴ヶ城を思って書いた」と言ったのだそうです。参加者のみなさんは「へえ~」と感心していました。それは知りませんでしたねえ。
今日のコーヒータイムのお供はネコの手をイメージしたまんじゅうです。「わぁかわいい~」と大人気、和菓子はコーヒーによく合います。

ここで演奏家は、東北にちなんだ歌ということで、松本さんはハウンドドッグ『フォルテシモ』を熱唱、富樫さんの伴奏もかなりダイナミックで力強いものになりました。みなさんは両手を掲げて手拍子で応え、かつて見たことのない若さあふれる盛り上がり方をしました。ライヴハウスみたいですね!

岩瀬さんは新沼謙治『ふるさとは今もかわらず』を歌いました。この歌では故郷の風景がおだやかに、朗らかに歌われています。聴いているうちに、みなさんの表情が一転、遠い目と言うか、何かを思い出しているような感じになりました。どの方も故郷を失って新しい住まいへを移ったわけですが、心の中には今もはっきりと懐かしい風景が広がっているのでしょう。しみじみと聴き入っていました。
次回は3月、いろいろなことが思い起こされる季節です。こうして多くの人とともに歌えること、笑えることを充分に味わっていただければなあと思います。