お知らせ

けせんぬまおひさま保育園「卒園おめでとう!コンサート」

2019.3.12

けせんぬまおひさま保育園は、3/7に伺った双葉保育園と共に、気仙沼市内で数少ない認可外保育園です。敢えて認可外のまま運営していくことで、求職中の親御さんの助けとなったり、また病気や家庭の事情などで子どもさんを急に預けなくてはいけなくなったご家庭にとっては、大きな支えとなっている施設とも言えます。音楽の力による復興センター・東北で、「復興コンサート」をお届けするのは、4度目になるでしょうか。元々は、一景島保育園として、南気仙沼にあった保育園が、津波浸水により全壊。仮の場所を借りての再スタート1期生だった子ども達が、この3月に小学校を卒業する年齢になったそうです。8年という時間の長さ・速さを、里見理事長とお話ししながら改めて感じました。

今回の訪問は、東日本大震災こども未来基金の助成を受けて、実施することができました。まもなく小学生になる年長クラスの子ども達への「卒園おめでとうコンサート」。もちろん、せっかくの機会ですので、年長以外のクラスのお友達も一緒に楽しみました。出演は、仙台からクラリネットの叶光徳さん、ピアノの相澤やよいさんと、福島からパーカッションの小林直央さんです。

コンサートは「小さな世界」から始まりました。フラメンコやジャズ、中国風など、いろんな音楽が少しずつ繋がって、音楽で世界一周できてしまうアレンジは、様々な打楽器が登場。子ども達の目は小林さんの撥を操る姿にくぎ付けです。「ユモレスク」でゆらゆらと身体を揺らしながらリズムに乗っている子もいます。手遊び歌「こぶたぬきつねこ」は、おひさま保育園でもおなじみだったようで、生の演奏つきの豪華版。みんな上手にできました!

つづく楽器紹介を兼ねた「剣の舞」では、息もつけないほどのスピード感と、1人5役の小林さんの早業に、子ども達は一気に大興奮!踊り出したくなってしまった年長さんから、徐々に小さい子たちにも熱気が伝わっていきました。さすがバレエ曲?!今回のコンサートの中で、一番に盛り上がった曲となりました。ピアノの楽器紹介では、敢えて静かなクラシックの1曲。ショパンの「ノクターン」op.9-2を相澤さんの演奏で。じっと聴き入る子、いつのまにかとろんと眠たそうな子、先ほどまでの喧騒の余韻にまだまだ浸っていたい子…と本当にそれぞれの反応が微笑ましく、また何人か、耳を傾けて集中して聴く凛とした姿には驚きました。

ラテンの名曲「エル・クンバンチェロ」では、ボディパーカッションに挑戦!どの子も小林さんの指示をよく聞いて果敢に挑みます。じっと聴いているだけなんてつまらない!と言わなくとも心の声が聞こえてくる子ども達に、この時間はストレスも発散!集中力のあるところを見せてくれて、ぐっと距離が近くなりました。「さんぽ」「勇気100%」と子ども達の大好きな曲が続いてお開きに。最後には子ども達から素敵な手づくりのおくりものをいただきました。子ども達の素直な反応と集中力に、何度も驚かされた公演でした。

この日は、東洋大学の学生さんがボランティアに。本当に様々な大学、団体からボランティアさんが今も来てくださるんですよ、と理事長。どんな思いで、気仙沼に来てくれたのかは、少し話せば、もうなんとなくわかってしまうものなんですよね、とも。また、3月11日を、震災後に生まれた子ども達にどう伝えていくかについても、おひさま保育園の場合の取り組みを伺いました。大人も子どもも、あの震災後の現在を生きるのは、それぞれに初めてのこと。様々な場面で、葛藤があり決断があり、その連続の中にまだまだ自分たちは生きているのだな、と感じました。今日出会った子どもたちが小学校を卒業する頃、気仙沼はどんな街になっているのでしょうか。また、いつかどこかで、再会できますように!