お知らせ

田子西第二「歌う♪こだまの会」6月

2019.6.4

復興センターでは、仙台市宮城野区の田子西第二市営住宅で
2018年10月から「歌う♪こだまの会」を開催しています。

前回「歌う♪こだまの会」を開いたのは2月末の寒さが厳しい季節でしたが、それから季節はあっというまに進み、今日は蒸し暑さがこたえます。スタッフが集会所にお邪魔すると、町内会の方がすっかり会場の準備を整え、クーラーまでつけていてくださいました。ありがとうございます。こちらの町内会では折り紙などを使ったオーナメントづくりを定期的に実施しているそうで、今日も会場には令和をお祝いする看板が飾られています。

本日の音楽リーダーは、メゾソプラノ後藤優子さんとピアノ田村聡子さんのお二人。他の会場で実施している歌声サロンも担当しているお二人ですが、やはり初めての会場は緊張するとのこと。リハーサルでは歌の練習はもちろん、全体の進め方もあれこれと確認していました。
15分前から人が集まり出したと思ったら、あっという間に満席になった会場では、あちこちでおしゃべりが弾んでいます。後藤さんと田村さんも大きな拍手で迎えられ、緊張していたというお二人もほっとした様子でした。
まずはウォーミングアップ。体をほぐしたり正しい姿勢を確認したり、表情筋を動かす体操や発声練習に取り組み、歌う準備をします。終わる頃にはすっかり体温が上がって、額の汗を拭う方が何人もいました。

 

さてさて、いよいよみんなで歌うコーナーです。まず最初の曲は『みかんの花咲く丘』。なつかしく感じられる方が多かったのでしょう、リズムに乗って体を揺らしながら歌う人、小さく3拍子の指揮をしながら歌う人など、みなさんとっても楽しそうでした。1曲目から大層いいお声で歌ってくれたみなさんに、「高い音は眉毛を上げて歌うと歌いやすいですよ!」と後藤さんからワンポイントアドバイス。こんな感じです、と見本を見せてくれる後藤さんのダイナミックな表情の動きにあちこちから笑い声があがり、中には笑いすぎて涙を流す人も。そのままもう一回歌ってみると、先ほどよりさらに明るく元気な歌声が響きました。次に歌った『茶摘み』ではなつかしい手遊びも話題に上りました。

 

最後に歌ったのは1970年に開催された大阪万博のテーマソングとして有名な『世界の国からこんにちは』。今回初めてこちらに訪問した後藤さん・田村さんが「ご挨拶の気持ちを込めて」と選んだ曲でした。
この曲には「こんにちは」という歌詞が33回も出てくるのですが、この言葉をみんなで繰り返していると、お互いの距離がぐっと近づいたような、温かい気持ちになりました。歌い終わったみなさんのお顔にも、にこにこ笑顔が浮かんでいました。
歌って笑って、すっかり喉が渇いたところでコーヒータイム。コーヒーは町内会のHさんがリハーサル中からずっと準備をしてくださっていました。町内会からお茶菓子も配られ、みなさんおいしそうに味わっていました。

 

コーヒー片手に耳を傾けるのは、音楽リーダーによるミニコンサートです。
1曲目の『この道』が歌われると、それまでにぎやかだった会場が急に静まり返り、みなさん息をひそめるように演奏に聴き入っていました。なかにはそっと目頭を押さえる人も。
一方、続けて歌われた『踊り明かそう』やアンコールの『みずいろの雨』では手拍子で演奏を盛り上げてくれました。「マイ・フェア・レディ」の1シーンのように軽やかなステップを踏んで歌う後藤さんに、会場はさらなる盛り上がりを見せ、最後は大きな拍手と歓声があがりました。
その拍手に見送られて音楽リーダーのお二人が退場・・・したかと思いきや、すぐに「たった今いらしたお客様が!」と戻ってきました。せっかく来ていただいたので1曲だけでも聴いていただきたい、というお二人の「みなさんも、もう1曲だけお付き合いいただけますか?」という問いかけに、ぜひお願い!と歓迎の拍手が。ちょうど楽譜をお持ちだったという『時の流れに身を任せ』が演奏されると、みなさんうっとりと聴き入っていました。

 

会が終わり、玄関でお見送りする後藤さんと田村さんに、みなさん口々にお礼や感想を伝えていました。どの方も本当にいきいきした表情で、今日の会もお楽しみいただけたことが伝わってきます。スタッフに「またお願いね」と声をかけてくださる方もいました。次回もどうぞよろしくお願いいたします!