お知らせ

気仙沼・旭が丘学園「そよかぜコンサートⅡ」

2019.7.27

この日は、気仙沼も32℃まで気温が上がりました。午前中のリンデンバウムの杜「夏祭り」でのコンサートを終えて、メゾソプラノの後藤優子さんと、シンセサイザーの菅野静香さんと共に、午後は舘山にある児童養護施設 旭が丘学園へ伺いました。昨年の同じ時期、子ども達みんなが「また来てね~!」「明日来てね~!!」と、あちこちから手を振って送ってくれた姿がこちらも忘れられず、再び気仙沼に伺う機会があればと思っていたことが叶いました。夏休み中の子ども達は、部活や一時帰宅で不在だった子もいたようですが、4才から中学生・高校生まで20名ほど。また、近所にお住まいの方もちらほらと集まってくださいました。

リハーサルのために音が鳴り始めると、気になって仕方ない子ども達は、会場に入ってくるのはぐっと我慢しながら、ステージの横に続く廊下の階段に座って、一緒に歌ったり、あの曲やってくれるかな、と友達と喋り合ったり。また、今子ども達に大人気のFoolin「パプリカ」が流れると、ステージ真上の廊下では、3人の女の子たちが元気に踊っているのが下から見えました。

コンサートの始まりは「勇気100%」から。目の前に現れたドレスの後藤さん、菅野さんに、まだ恥ずかしそうな子どもたちは掛け声も控えめ…。「夏の童謡・唱歌メドレー」では、ご近所の方たちが懐かしそうに目を細めます。ジブリメドレーに続いて、昨年、この曲を歌ってほしい、とリクエストされたものの用意のなかった、映画「モアナと伝説の海」より「どこまでも ~How Far I’ll Go~」を、「今年はちゃんと用意してきましたよ~」と話すと、女の子たちが嬉しそうに顔を見合わせて、一緒に歌ってくれました。映画「天空の城ラピュタ」に出てくる「君をのせて」や、モンゴル800「小さな恋のうた」は、男の子たちにも人気のある曲。恥ずかしそうにしながらも、始まるとついついつられて一緒に歌ってくれる姿が、後藤さんもとても嬉しかったそうです。間のシンセサイザーのソロでは、久石譲さんの「Summer」を。シンセサイザーならではの演出で、蝉時雨が聴こえてきたり、花火の上がる音が聴こえたり…と、一台の楽器から聴こえているとは思えないほど、音で一篇の映画を見ているような気持ちになりました。その間に、後藤さんはブルーからピンクのドレスに着替えて…後半の始まりです。

今回、子ども達からリクエストを伺ったなかで、難易度の特に高かった曲は日向坂46「キュン」。ノリの良いテンポに、いまどきな歌詞、そしてハモリも難しい…とは言え様々な曲を歌いこなすお二人の息はピッタリ。最後は人「あの曲あるかな…?」の声が開演前に聞こえていた「パプリカ」。踊りたい人がいたら、恥ずかしがらずにぜひどうぞ!の後藤さんの声に、2人の女の子がその場で立ち上がってくれました。最初から最後まで、とっても上手に踊ってくれて、流石!アンコールの拍手もいただいてAI「ストーリー」と「Time To Say Good-bye」を。圧巻の歌声に、最後はどの子ども達もたくさんの拍手を送ってくれました。

コンサートが終わると、記念写真撮影を。その後は、シンセサイザーを弾かせてもらったり、レインスティックという波や雨の音の鳴る楽器を順番に鳴らしてみたり、楽譜が欲しい!と菅野さんに話す女の子がいたり。みんな、お二人と話したくて、楽器のことを聞いてみたくて、笑顔と賑やかな時間が続きました。何よりも、嬉しい時間です。そして、楽器を片付けて車へと運ぶ時にも、コンサート中は物静かに聴いてくれていた男の子2人がずっと手伝ってくれました。その間も、気になっていたらしいシンセサイザーのことを、菅野さんに色々質問したり…。それぞれの興味の拡がるきっかけに、この時間がなっていたらこれ以上嬉しいことはありません。

小学生の子ども達は、すぐに来週の港まつりに出るため、インドネシアの楽器の練習会が始まりました。その横で、楽器を全て積み込んで出発しようとすると、コンサートの始まる前から、ずっとぐずりっぱなしで、うつむいていたり、急に泣きだしたりしていた小さな男の子が、すっかり笑顔になって、先生と手を繋ぎながら「また来てね!!」とにこにこ、元気に声をかけてくれました。ありがとう!きっとまた来るからね、それまで元気でいい子にしていてね!