お知らせ
大和町「歌声ひろば」_10月
- 2019.10.6
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ここ数日は台風の影響で季節外れの暑さが続いていましたが、朝に降っていた雨のせいか、今日は空気がひんやりとしています。ようやく本格的な秋の訪れを感じた本日は、大和町市営住宅に季節に一度お届けしている「歌声ひろば」の開催日です。音楽リーダーのソプラノ都築紘子さんとピアノ山形佑輔さんは、秋らしい曲を準備して会場を訪れました。
開場時間になると、すっかり常連となった参加者の方が集会所にやってきました。入口で顔を合わせた参加者が「しばらくぶりだね」とお互いに声をかけ合ったり、なかなか顔を見せないお友達を心配してお部屋まで声をかけに行ったりと、参加者同士のコミュニケーションが垣間見えます。お手伝いに参加してくれた東北大学のボランティアサークル「たなぼた」の学生さんも参加者の輪に加わり、会場には賑やかなおしゃべりの声が飛び交いました。
今日の歌声ひろばも、体操と発声練習からスタート。座ったままできる簡単な体操ばかりですが、改めて首や背中をじっくりストレッチしてみると思っていた以上に固まっていたようです。一斉に体を伸ばすと、あちこちから「あぁ~」とうめき声が聞こえました。これから寒くなるにつれて体はますます縮こまってしまうので、ぜひお部屋でも今日の体操を試してみてくださいね。
本日の歌の1曲目は『故郷の空』。望郷の思いにあふれた歌詞ですがメロディはとてもリズミカルな曲です。弾むようなメロディにつられて、参加者も大きな声で歌ってくれました。
2曲目は雰囲気をガラッと変えて、『忘れな草をあなたに』をしっとりと。都築さんは「同じ言葉を繰り返すときは、強弱をつけると歌に変化が出ます」「遠くを見るようにして歌うと声が伸びます!」といった具体的なアドバイスをしてくれるので、参加者の歌声にもすぐに変化が見られます。特に「恋の思い出を振り返りながら歌ってください」という言葉を受けてから歌った歌声には情感がたっぷりこもっていて、都築さんはしみじみと「歌声を聴いて、色々あったんだろうなと思いました」とコメント。大きな笑いを誘いました。
最後に歌ったのは『上を向いて歩こう』です。この曲では、マラカスのような音を出すシェイカーを手にした学生さんがリズム隊として参加してくれました。突然楽器を渡されてちょっと戸惑った様子でしたが、簡単なレクチャーを受けただけで上手にリズムを刻み、みなさんの歌声に花を添えていました。そんな学生さんたちが振る舞ってくれたお茶とコーヒーを味わいながら、後半は音楽リーダーによるミニコンサートをお楽しみいただきました。
1曲目は『恋はやさし野辺の花よ』。大正時代にブームとなった浅草オペラで誕生して以降、日本の愛唱歌として親しまれてきた曲なので、ご存知の方も多かったようです。恋い焦がれる気持ちを切々と訴えるような歌声に、みなさんじっと聴き入っていました。
実は都築さん、先ほど歌った『忘れな草をあなたに』の練習中に、山形さんから「恨み節みたい」と言われたそうです。『恋はやさし野辺の花よ』も同様で、ご本人曰く「恋の歌は、気持ちが入ると怖くなってしまうんです」とのこと。それを聞いた参加者の女性が「それが若さよ!」と一言。人生の大先輩からの言葉に都築さんも「そうですよね、頑張ります!」と返し、会場は大きな笑い声に包まれました。
続いて歌ってくれたのは『アメイジング・グレイス』。優しい祈りの気持ちを感じさせる都築さんの歌声はもちろん、山形さんのピアノの旋律も本当に美しい曲です。だんだんと曲が盛り上がってきたとき、堪えかねたように顔を覆って涙をあふれさせた方がいました。
アンコールで登場したのは『紅葉』でした。「ご存知の方はご一緒に」という都築さんの言葉に、参加者から小さく口ずさむ声が聴こえてきます。今日歌った曲は初めて聴く曲がほとんどだという「たなぼた」の学生さんも、『紅葉』ではみなさんと一緒に歌っていました。世代を越えて一緒に歌える曲があるというのは、とても大切なことだと感じます。また一緒に音楽を楽しむ機会があれば嬉しいですね。今回の「歌声ひろば」も、笑い声にあふれた楽しいものとなりました。次回の開催は年が明けた2月16日を予定しているので、早々と「よいお年を」のご挨拶をしてお別れしました。これから秋が深まり、やがて寒い冬がやってきますが、どうぞ体調には気をつけてお過ごしください。また来年元気にお会いしましょう!