お知らせ

田子西第二「歌う♪こだまの会」10月

2019.10.10

復興センターでは、仙台市宮城野区の田子西第二市営住宅で
2018年10月から「歌う♪こだまの会」を開催しています。

季節に一度お届けしている「歌う♪こだまの会」、今回は秋の調べをお届けしました。音楽リーダーはもはやすっかりおなじみ、仙台オペラ協会のソプラノ大河原真歩さんと、ピアニスト稲垣達也さんのお二人です。

良い声で歌うためには体の準備も大切です。ということで、今日もしっかり体をほぐしてから歌のコーナーに移りましょう。
本日大河原さんが用意したのは、縄跳び用の縄。もちろん縄跳びをするのではなく、伸ばした両手で半分に折った縄の両端を持ち、その姿勢のままオールを漕ぐような動きをしたり、体を左右に倒したりしてストレッチしていきます。「音楽に合わせてやりましょう」と聴こえてきたのはなんと『斉太郎節』!なじみのある曲にワッと沸いた参加者のみなさんは楽しそうに歌いながら体を動かしていました。座ったままでもできるシンプルな動きですが、3回ほど繰り返すとそれだけで体がポカポカしてきます。そのあとは大河原さんが得意のイラストで図解してくれたお顔の体操もして、歌う準備がバッチリ整いました。

 

 

今日の歌のコーナーは『紅葉』からスタートしました。大河原さんは歌う前に「1番では紅葉の赤色と松などの緑色の対比、2番では水面に散った紅葉とその上に茂っている紅葉の対比が描かれています」と曲が描く情景を解説してくれました。小さい頃から何気なく口ずさんできた歌詞ですが、その内容を改めてイメージしてみると、錦のような様々な色彩に彩られた秋の山の景色が鮮やかに脳裏に浮かんできます。ただ歌詞を追うだけでなく、具体的なイメージを持つと歌い方が違ってきますね。
2曲目の『夜明けのうた』では、多くの方が体を左右に揺らしたり、膝を叩いてリズムをとりながら気持ちよさそうに歌っていました。さらに稲垣さんがアレンジした後奏が、まさに夜が明けて新しい一日が始まる希望を感じさせるようなキラキラしたものだったので、みなさん歌い終わったあとの余韻に浸りながらうっとりと聴き入っていました。
最後に歌ったのはこちらも秋らしく『荒城の月』。大河原さんと稲垣さんが控え室で話していたという「土井晩翠の母校はどこだ!?」問題や、かつて仙台駅前にあった百貨店「丸光」で時報として流れていたという思い出話など、色々な小ネタや豆知識も挟みつつみんなでこのご当地ソングを歌いました。

今回は休憩を兼ねたティータイムに「曲名当てクイズ」が用意されていました。いったいどんな曲が、と耳をすませる参加者の前で稲垣さんが弾きだしたメロディは ♪この~木なんの木 ♪気になる木 …有名なCMソングであることはみなさんすぐに分かったようですが、曲名はなかなか出てきませんでした(ちなみに、この曲は『日立の樹』というそうです)
続いては時代劇シリーズで『暴れん坊将軍』『水戸黄門』『銭形平次』のテーマソングが登場。こちらもすぐにドラマの名前が挙がりますが、稲垣さんが「水戸黄門の曲の名前は分かりますか?」と尋ねるとみなさん一斉に首を傾げています。「『ああ人生に涙あり』という曲なんですよ」と聞くと「へぇ~!」と大きな声が上がりました。

さて、クイズで楽しく脳トレをしたところでミニコンサートのお時間です。1曲目の『ちいさい秋』はみんなで一緒に歌いました。秋らしい曲ですが、どこか寂しさや切なさを感じさせるメロディに、何となくしんみりとしてしまいますね。そんな空気を吹き飛ばすように稲垣さんが演奏してくれたのは、ご自身が作曲したサンバのナンバー。思わず全身でリズムをとってしまう陽気なメロディに、参加者もノリノリの手拍子で参加しました。
他にも大河原さんも出演されていた仙台オペラ協会の本公演『メリー・ウィドウ』や、劇団四季のミュージカル『キャッツ』の曲も披露されました。会場内に響き渡る歌声にすっかり惹きつけられ、さながら舞台公演を観ているような気分になります。演奏が終わると、大きな拍手が沸き起こりました。

 

 

会を始めるに先立ってご挨拶された町内会長さんは、「最初は悲しい気持ちが大きくて歌おうという気分になれなかったけど、みんなで声を出しているうちにだんだんと元気になってきました」とご自身の心境の変化を振り返りました。同じような変化は他の参加者にも見られ、最近では他の集まりの場でも自然と「歌いたい」という声が上がり、色々な歌をみんなで歌って楽しんでいるそうです。
仙台市内を始め、各地で行っている歌う会は「大きな声で歌って、元気になること」を目的のひとつにしています。これからもみなさんが日々をより元気に、朗らかに過ごせるよう、音楽をお届けしていきたいと思います。
今日は帰り際にリクエストを伝えてくれた方もいらっしゃいました。大河原さんも「次回のプログラムに入れようと思います!」と意気込んでいました。次回の「歌う♪こだまの会」は2月の開催を予定しています。またしばらくご無沙汰となりますが、その間もみなさんで色んな歌を歌って、元気にお過ごしくださいね。