ジャスミン・トリオとの気仙沼ツアー、最後の会場は南郷コミュニティセンターです。メンバーは、クラリネット菊池澄枝さん、フルート櫻井希さん、ピアノ鷲尾恵利子さんの3人です。ジャスミン・トリオは、2015年4月、まだできたばかりの頃にも南郷住宅を訪問したことがありました。エレベーターや駐車場の都合で、一日3軒ずつ、引っ越しをされている、という時期でした。

南気仙沼小学校跡地に建てられた、3棟の災害公営住宅(南郷住宅)と共に、2階建てで広いキッチンスぺースや、和室もあります。周辺の南郷1・2区も、1階天井の高さまで津波が浸水する大きな被害があった地域です。改修されたり、新しく建て替えされて、暮らし続けていらっしゃるみなさんと、南郷住宅に各地から入居されたみなさんとの、交流を深めるきっかけに、と広くチラシが配られました。

まだ、出来たばかりで何もかも新しかった4年前。その後最近になって、アップライトピアノが寄贈されたとお聞きし、今回使わせていただくことができました。よりピアノらしさが楽しんでいただける曲を、と鷲尾さんがショパンの「ノクターン　Op.9-2」を演奏。やはり電子ピアノとは違う迫力や繊細さ、みなさんから大きな拍手をいただきました。

それぞれの楽器の、音の鳴る仕組みなどもご紹介しながら、エルガー「愛の挨拶」、モーツァルト「アヴェ・ヴェルム・コルプス」といったクラシックの名曲や、「川の流れのように」「見上げてごらん夜の星を」などの懐かしい歌謡曲が演奏されました。そして、港町・気仙沼ならではの「港町十三番地」「おいらの船は300トン」「北国の春」もやはり欠かせず、最後にはみなさんにも歌でご参加いただきました。次第に、みなさんの表情も解れ、終演後のお見送りでは、感想を直接伝えてくださる姿が、あちこちで見られました。南郷のみなさん、また、お伺いしますね。せっかくやってきたピアノも、たくさん弾かれる機会がありますように！