お知らせ

泉中央南「歌声サロン」_10月

2019.10.29

仙台市泉区の復興公営住宅で2015年10月から「歌声サロン」を始めました。
復興センターでは音楽家をコーディネートし、
泉中央南町内会と協働してこのサロンを運営しています。

朝からどんよりとした空が広がる仙台。本日「歌声サロン」でお邪魔した泉中央南市営住宅は七北田川が目の前を流れており、先日の台風接近時は避難勧告が出ていた地域でもありました。参加者のみなさんにお聞きしたところ特に被害はなかったそうですが、夜中に何度もアラートが鳴ってとても怖かったそうです。その後も何度か大雨が降ったので、なかなか気が休まらなかったことでしょう。今日は楽しく歌って、少しでも気分が晴れたらと思います。
今日も音楽リーダーはメゾソプラノ後藤優子さん、ピアノ田村聡子さんのお二人。臙脂と橙色のそれぞれのお洋服が、会場内を飾る紅葉と相まってとっても素敵です。曇り空も吹き飛ばしてしまうような元気なお二人のリードで、今日も体操からスタートしました。

今日も童謡から演歌まで、様々なジャンルの曲を歌いました。
中島みゆきさんの『糸』は後藤さんが以前ミニコンサートのコーナーで歌ってくれた曲ですが、今日はみんなで歌います。歌詞の中では、縦の糸(あなた)と横の糸(わたし)が出逢えることを「仕合せ(しあわせ)」と表現していますが、後藤さんが「糸と糸が出逢って、糸合わせ(しあわせ)でもあると思うんです」とお話したのを聴いて、参加者は何度も頷いていました。歌自体は音程がとぶ箇所も多く難しい曲なのですが、みなさん実に伸びやかな声で歌ってくれました。あんまりよいお声なので「もう一回歌ってみますか?」と尋ねると、何人もの方から「はい!」と元気なお返事があったので、1番だけもう一度歌いました。歌い終わったあと、いい歌だねぇというしみじみとした呟きが聞こえてきました。
ガラッと雰囲気を変えて、北島三郎さんの『まつり』にも挑戦しました。演歌は思い切り声を張って歌える曲が多いので、歌い終わるとスッキリしますね。曲の最中はキーボードで太鼓の音を出したり、ヴィブラスラップが登場したりと、あちこちから色んな音が聴こえてくるので、みなさん歌いながら音の出どころ探しにも忙しそうでした。音楽リーダーのお二人はみなさんがより楽しく歌えるようにあれこれと工夫してくれるので、参加者も今日は何が飛び出してくるのかと楽しみにしているようです。コーヒータイムの際に、今日使った楽器を手にとって「これは何?」「どうやって鳴らすの?」と興味深そうに質問している人もいました。

さて、後半はミニコンサートをお届けします。
ミニコンサートの曲目はいつもそのときにならないと分からないのですが、後藤さんは「◯さんが歌った、昭和△年の曲で」「映画の主題歌にもなった曲です」などといったヒントを出して、曲名は言わないことが多いです。そのため自分の知っている曲をあれこれと思い浮かべて、あの曲かな?と考えるクイズのような楽しさがあります。今日も「エド邦枝さんの曲で、藤圭子さんもカバーした曲です」というヒントをきいて、あちこちで「あれかしら?」と色んな曲名がささやかれていました。
いざ歌われたのは『カスバの女』。語り掛けるような後藤さんの歌声に、異国の酒場で我が身を憂える女性の姿が目に浮かびます。女性たちがじっと聴き入る一方、男性がお二人ほど後藤さんの歌声に合わせて口ずさんでいました。『東京ドドンパ娘』では、後藤さんの提案で何人かの参加者に鈴を渡してみました。何のお知らせもなくランダムで渡していったのですが、歌声サロンのノリにすっかり慣れたみなさん、突然のことにも動じずしっかり演奏してくれたのはさすがの一言です。他の方からも自然と手拍子が起こり、全員参加で曲を盛り上げてくれました。

 

楽しい時間はあっという間に過ぎ、今日の歌声サロンもお開きとなりました。
今日初めて参加してくれた男性は、帰り際に「あなたの歌声を聴いて元気が出ました」と感想を伝えてくれました。音楽を楽しむことで元気になろうと始めた歌声サロンが少なからずお役に立てているようで、とても嬉しく思います。これからも色んな曲をみなさんと楽しんでいきたいと思いますので、ぜひまた足をお運びください!