お知らせ

荒井東_「うたごえサロン」11月

2019.11.12

仙台市若林区にある復興公営住宅である荒井東市営住宅町内会からの依頼で
2018年4月から「うたごえサロン」をお届けしています。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)

今日の仙台は朝から強い風が吹いていました。目の前が広場になっている市営住宅集会所の周りはまともに風が吹きつけてくるので、時折「ごぉっ」と大きな音が聞こえます。そろそろ木枯らしが吹く頃ですね。
そんな秋の日にうたごえサロンをお届けする音楽リーダーは、毎度おなじみメゾソプラノ後藤優子さん・ピアノ田村聡子さんのお二人。室内を彩る紅葉や柿・栗の飾りだけでなく、お二人の秋色の衣装も季節の移り変わりを感じさせてくれます。今日もニコニコ元気な後藤さん・田村さんと一緒に、芸術の秋を楽しみましょう!

 

 

最初に歌ったのは『うさぎとかめ』。もちろん誰もが知っている曲ですが、今回うたごえサロンで取り上げるにあたって初めてこの曲の楽譜を見たという後藤さんは、これまで自分が歌っていた歌い方が楽譜と違っていたことに気付いたそうです。こうした童謡は楽譜ではなく、親御さんや祖父母といった大人に教わって覚えた人がほとんどなので、楽譜通りの歌い方ではないこともあるのでしょうね。しかしそれも味というもの。「楽譜とは違うかもしれませんが、まずはのびのび歌ってください」という後藤さんの言葉もあって、みなさん童心にかえって楽しそうに歌っていました。
ここで後藤さんがおもむろに取り出したのは、なんとけん玉です。歌に合わせて遊んでみようということで、町内会長さんに挑戦していただきました。実は初めてやったという会長さん、他の参加者の歌に合わせて一生懸命玉を操り、玉が上手に皿に乗ったときはみんなから拍手が起こりました。続いて挑戦した後藤さんもリズムに合わせて軽快に玉を移動させ、大きな拍手をもらっていました。

 

 

2曲目は『忘れな草をあなたに』。1曲目とはだいぶ曲調が異なる曲ですね。歌う前に歌詞を朗読したのですが、その時点でみなさん随分と感情がこもっていました。それは実際に歌ってみたときも変わらず、切ない歌詞を情感たっぷりに歌い上げていて、音楽リーダーのお二人も感激した様子でした。
この曲の歌詞は同じフレーズが繰り返されるのが特徴です。後藤さんが「繰り返す部分は、2回目により気持ちを込めて歌ってみてください」とアドバイスすると、みなさんの歌声はよりしっとりとした響きを持つようになりました。

ミニコンサートはリクエスト曲を中心にお送りしました。『東京ドドンパ娘』では、その特徴的なリズムに合わせた手拍子で演奏に参加しました。アンコールの『柔』では後藤さんがこぶしをきかせた力強い歌声を披露し、参加者もじっくりと堪能していたようです。今日は歌のコーナーもミニコンサートも緩急に富んだプログラムでしたが、参加者はそれぞれの曲を楽しんでいました。

 

 

うたごえサロンを終えて帰る参加者のうち、何人かの方からリクエストをいただきました。うたごえサロンに参加している方々のお好きな歌の傾向を知る手掛かりにもなるので、リクエストはとても嬉しいです。これからもみなさんと一緒に楽しい「うたごえサロン」を作っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。