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「東京銀座から歌のギフトコンサート3」石巻

2019.11.30

東京の銀座にあるビアホール〈音楽ビヤプラザライオン〉には実力派の音楽家が多数所属し、「音プラゾリステン」というチーム名で活動しています。東日本大震災後、彼らは東京でチャリティコンサートを20回以上開催し、その募金をもとに岩手・宮城・福島を訪問して復興支援コンサートを届けています。今年11月にはその3回目となるツアーが行なわれ、総勢9名の演奏家達が岩手県釜石市・宮城県石巻市と名取市を訪問しました。復興センターでは今回の石巻公演のコーディネートと名取公演への協力を行いました。

11月29日(金)の午後は石巻市営門脇東復興住宅の集会所にて「世界の名曲コンサート」が開かれました。
開場時刻の1時間も前からお客さんがやって来て「入れるかしら?」と心配そうにしていました。石巻出身のテノール歌手渡邉公威さんが出演するので、地元の人たちはとても楽しみにしていたようです。
ステージの上には町内会長さんが準備した手づくりの看板が下げられていて、演奏家のみなさんはうれしそうでした。

 

会場には70名を超える来場者がありました。予備の椅子を引っ張り出すほどのにぎわいです。この復興住宅だけでなく石巻市内のあちこち、そして市外からも駆けつけた人がいました。プログラムは日本の歌曲、オペラアリア、映画音楽、カンツォーネなど、古今東西の有名な曲がたっぷりと用意されていました。圧倒的な歌声とそれを支える伴奏、そしてサービス精神旺盛な演奏家たちのやりとりで、お客さんはすっかり魅了されていました。

ご当地民謡『斉太郎節』を公威さんが歌ったときは客席から合いの手が聞こえ、サビでは会場全体が一つとなって力強い歌声が響き渡りました。特に3番は石巻の名勝を織り込んだ歌詞なので、さらにさらに熱い石巻愛がこもっていたように聞こえました。
歌って笑ってあっと言う間の一時間、お客さんは名残惜しい様子で「すごかった!」「また来てね!」と演奏家に声を掛けていました。町内会長さんも「ぜひまた来てください」と笑顔を見せていました。

連日の長距離ツアーで演奏家のみなさんは大変だろうと思いますが、そんなことはおくびにも出さず、惜しみなくパワフルな歌と演奏を届けてくださいました。