お知らせ

泉中央南「歌声サロン」_12月

2019.12.24

仙台市泉区の復興公営住宅で2015年10月から「歌声サロン」を始めました。
復興センターでは音楽家をコーディネートし、
泉中央南町内会と協働してこのサロンを運営しています。

クリスマスイブの今日は、街全体が浮足立っているように感じます。そんな日に「歌声サロン」を開くとあって、音楽リーダーのメゾソプラノ後藤優子さんとピアノ田村聡子さんは気合が入っていました。集会所に到着したお二人が次々に運び込んだのは、すてきなクリスマスオーナメントの数々。造花のポインセチアやヒイラギ、クリスマスツリーやガーラントを使って、会場中を飾り付けました。町内会のほうでも大きなクリスマスツリーやリース、折り紙で作った星を飾ってくれたので、クリスマスイブらしい華やかな装いの会場となりました。

本日最初の曲は『二輪草』。まずは全員で歌ったあと、せっかくなので男声パートと女声パートに分かれて歌ってみることにしました。サロンの参加者は圧倒的に女性が多く、男性はシャイな方が多いのでどうなることかと思いましたが、いざ歌ってみれば渋くて良い声が聴こえてくるではありませんか。素敵なデュエットパートナーを得たことで女性陣の歌声もいっそう気持ちがこもったものとなりました。特に「おまえ」という呼びかけに「あなた」と答える歌声の可愛らしいこと!聴いていた後藤さんが思わず「あらぁ」と声を上げていました。
曲の最後には ♪ふたりは二輪草~ と歌いながらピースサイン。たくさんの二輪草が咲き乱れました。
続く『別れのワルツ』も情感たっぷりに歌いあげます。今年最後のサロンとあって何となく感慨深いのか、”別れることは つらいけど”と歌う後藤さんの声には熱がこもっており、相乗効果で参加者の歌声もより豊かな響きを持つようになりました。

一生懸命歌うのは楽しいですが、そのぶんのども渇きます。ここらで一息、ティータイムといたしましょう。あちこちで茶飲み話の花が咲く中で、参加者のお一人が自筆の「奥の細道」を見せてくれました。巻物状になった長~~~い紙に細かく書き込まれた様子もさることながら、この巻物が5本目だというから驚きです。参加者の意外な趣味を発見した今日のティータイムでした。

ミニコンサートの1曲目は『夜明けのスキャット』。「スキャット」とは人の声をひとつの楽器として表現する歌唱法のことで、この曲の1番には具体的な歌詞は登場しません。そのぶん後藤さんと、弾き語りで参加した田村さんの歌声が生み出す繊細なハーモニーが堪能でき、目を閉じてじっくりと耳を傾けている方が何人もいました。
さらに2020年のオリンピックイヤーにちなみ、1972年2月に開催された札幌オリンピックのテーマソング『虹と雪のバラード』も登場。開催当時のことが思い出されるのか、みなさん懐かしそうに聴き入っていました。最後には歌詞を2020年東京オリンピックバージョンに変えて歌うサプライズがあり、大会の成功を祈りました。

歌って聴いて、たっぷり音楽を楽しんだクリスマスイブの「歌声サロン」は、最後にみんなで『きよしこの夜』を歌って締めくくりました。田村さんは曲に合わせ、電子ピアノの音をオルガンの音色に変えて演奏してくれたので、まるで教会で歌っているような厳かな気分になってきます。途中で後藤さんが下のパートを歌い始めると、参加者の合唱との美しいハーモニーも生まれました。

 

 

今年最後の歌声サロンも終わり、参加者は名残を惜しむように音楽リーダーにあれこれと声をかけながら帰っていきました。これから年末年始に向かって気忙しい日が続きますが、どうぞお体をお大事に、よいお年をお迎えください。また来年、みなさんと元気にお会いできることを楽しみにしています。