お知らせ

田子西第二「歌う♪こだまの会」2月

2020.2.13

復興センターでは、仙台市宮城野区の田子西第二市営住宅で
2018年10月から「歌う♪こだまの会」を開催しています。

季節に一度お届けしている田子西第二市営住宅の「歌う♪こだまの会」。集会所の和室には立派なひな人形が飾られていました。音楽リーダーを務める仙台オペラ協会のソプラノ大河原真歩さん、ピアノの稲垣達也さんのピンクを基調としたお洋服も春が訪れを予感させます。

今日は歌の前に、歌うときは姿勢・呼吸・表情の3つに気を付けることを大河原さんから教わりました。背筋を伸ばしたり口角を上げるようにして歌ったり、ちょっと意識するだけで声の響きは大きく変わります。せっかくみんなで歌う機会ですから、良い声で気持ちよく歌えるようがんばってみましょう!
ウォーミングアップとして、「あ・い・う・え・お」を使った滑舌のトレーニングや、『365日のマーチ』にのせた脳トレ体操を行いました。左右の手で違う図形を描くなど、慣れない動きにみなさん四苦八苦。ときどき間違えたり、動きがてんでバラバラになるたびに大きな声で笑ったことが、一番のウォーミングアップになったかもしれませんね。体も温まったところで、さっそく歌っていきましょう。

 

 

今日の1曲目は中島みゆきさんの『糸』。前回のこだまの会でリクエストされた曲だそうです。
歌う前に、全員で歌詞を朗読しました。生きていくうえでの辛さや悲しみを”ささくれ”と表現したり、糸が布を織るように出会うことを”仕合わせ”と呼んだり、あらためて文字で読むことでこの歌詞の素晴らしさを感じます。「詩のセンスが素晴らしいですよね」という大河原さんの言葉に、みなさん何度も頷いていました。その歌詞を噛みしめるようにしみじみと歌うみなさんの声も、とっても素晴らしかったです。
2曲目に歌ったのは『なごり雪』。こちらも歌詞を朗読し、そのしんみりとした詩をじっくりと味わいました。東京生まれの稲垣さんは、この曲がヒットしたまさにその年、進学のため仙台にいらしたそうです。歌詞にぴったり沿うような当時の情景を思い出します、と懐かしそうに語ってくれました。
歌の世界観がしっとりと入ってくるような素敵な曲ですが、実際に歌うのは難しい曲でもあります。低い音を歌うときは喉で頑張りすぎず、”洗い終わったお茶碗をそっと伏せて置く”ように力を抜いて歌うこと、冒頭の同じ音が続くところは1本の線を引くような感覚で歌うことなど、大河原さんは上手に歌うコツを教えてくれました。どのアドバイスも具体的でイメージしやすいものばかりなので、みなさんすぐに取り入れることができていました。
最後に歌ったのは『花は咲く』でした。これまでの2曲とは逆に、音程の高さに苦労する人も多い曲です。ここでも大河原さんが「出したい音に届くように気持ちをとばすと、不思議と音もとぶんですよ!」とジェスチャーを交えてアドバイス。その動きにつられるように、思いがけず高い音が出せていたようでした。

歌のコーナーが終わり、続いてはお茶やコーヒーを片手に楽しむミニコンサートの時間です。
最初の曲は松任谷由実さんの『春よ、来い』。こちらも美しい言葉で綴られた歌詞が印象的な歌で、みなさんその世界観に浸ってうっとりと聴き入っていました。さらに「流るる雨のごとく 流るる花のごとく」音が降り注ぐような稲垣さんの演奏もまた素晴らしく、その音色と大河原さんの歌声がピタッとハマったときには参加者から「おぉ~」と声が上がりました。
稲垣さんのオリジナル曲『Onto the Cloud』『Gaia』も披露されました。ドキュメンタリー映画の上映会で即興で演奏した『Gaia』には、ガイア(地球)に元気でいてほしいという気持ちをこめたそうです。鍵盤に触れる指先だけでなく、体全体を使って音楽を奏でる稲垣さんに、全員の目が惹きつけられていました。
さらに「明日はバレンタインなので、みなさんに歌の贈り物を」ということで、アンコールに『踊り明かそう』を歌ってくれました。映画「マイ・フェア・レディ」のオードリー・ヘップバーンさながらに踊りながら歌声を響かせる大河原さんに、参加者の顔にも笑みが浮かんでいます。稲垣さんのドラマティックなピアノの音色も曲をさらに盛り上げ、演奏が終わるや大きな拍手がわき起こりました。

 

 

今日も色んな曲を歌って聴いて、みなさん満足げな表情で集会所を後にしました。その様子を見た大河原さんは「みなさん楽しそうに参加してくれるので、いつもこちらが元気をもらっています」と話していました。
「歌う♪こだまの会」は、新年度から2カ月に1回開催する予定です。これからもたくさんの笑顔があふれる会にしていきたいと思いますので、引き続きみなさんの参加をお待ちしています!