お知らせ

釜石③宝樹寺「トリオ・クルールコンサート」

2019.10.30

岩手県釜石市への釜石復興コンサートツアー3会場目は、釜石市役所の隣りにある宝樹寺 本堂が会場です。トリオ・クルールの皆様(ファゴット髙橋あけみさん、フルート半田水季さん、ピアノ大野木はるかさん)と訪れるのも、何度目になるでしょうか。今回は、住職Nさんが「トリオ・クルールコンサート~10月30日、初恋の日~」というタイトルをつけてくれました。10/30は「初恋の日」なのだそうです。みなさん、ご存知でしたでしょうか?宝樹寺では、グランドピアノがあり、また、熱心なお客様に毎回お越しいただき、メンバーのみなさんも、また宝樹寺さんで演奏できることを、とても楽しみにしていました。
釜石とのご縁は、2013年に鵜住居・白浜の旅館 宝来館の女将 岩崎さんが、ここ宝樹寺さんと繋いでくださったことから始まりました。当時は真向かいには、仮設住宅がぎっしりと並んでいましたが、今その場所は、かまいしこども園と災害公営住宅に変わっています。今回も、(社福)釜石市社会福祉協議会にご協力いただき、近隣の災害公営住宅へチラシを配布いただきました。
とはいえ、台風19号被害により大きな被害があった釜石市内です。定期的な、被災者サロンなどは軒並み中止となり、社会福祉協議会にもボランティアセンターが立ちあがり、近隣の市町の社協からも応援職員が派遣されているという状況をお聞きし、本当に胸が痛みます。
そんな中ではありましたが、各地区の公民館、そして宝樹寺ご住職はじめ「被害のなかった人たちまでが、なんとなく不安になっているこんな時期だからこそ、コンサートはお願いしたいと思います」と声をかけていただいての実施となりました。
宝樹寺本堂には、仙台に拠点を置く「被災地へピアノをとどける会」が、500台目の節目に贈られたグランドピアノがあります。東京都交響楽団音楽監督である大野和士さんから、寄贈されたピアノです。唯一の夜公演、そして、唯一グランドピアノでのアンサンブルができる会場ということで、クラシックを中心にしたプログラムを組むことになりました。

エルガー「愛の喜び」をトリオで、フルートの紹介としてシャミナーデ「星のセレナード」、ファゴットの楽器紹介を兼ねてサン=サーンス「ソナタ」から、とクラシックも楽しんでいただきつつ、ピアノの楽器紹介では映画音楽から「ムーンリバー」をお楽しみいただきました。「星のセレナード」は当時はめずらしい女流作曲家による作品。フルートらしい華やかさや、明るい音色がキラキラと輝く星空を想像させました。
また、せっかくのグランドピアノのある会場、ということで、このツアー中ここだけはベートーヴェン「フルート、ファゴット、ピアノための三重奏曲」を全三楽章演奏することになりました。20分以上となるこの大曲は、それぞれの楽器にも聴きどころが散りばめられており、また緩急や明暗に富み、美しい旋律で聴き手の心をつかむベートーヴェンらしさが、随所にちりばめられていました。聴いてくださるお客様も、真剣に、またリラックスして演奏を楽しんでくださっているのが分かりました。
10/30は「初恋の日」でもあるそうで、住職Nさんより「初恋にちなんだ曲も…」とリクエストが。こちらは、アンコールに石川啄木の「初恋」をお楽しみいただきました。仏様に見守られながらのサロンコンサートは、夜ということもありとても音楽に集中のできた時間でした。ひととき、ご一緒いただきました皆さま、ありがとうございました。尚、この公演を含む釜石5公演は、令和元年度岩手県「被災者の参画による心の復興事業」の補助を受けて実施しました。