お知らせ

〈文化庁芸術家派遣事業〉石巻市立北村保育所へ

2019.10.16

音楽の力による復興センター・東北は、
文化庁令和元年度文化芸術による子供育成総合事業〈東日本大震災復興支援対応〉を
受託する実行委員会の一員として、音楽プログラムをコーディネートしています。

 石巻市立北村保育所は、内陸の町、旧河南(かなん)町にあります。合併で石巻市となりましたが、港町石巻のイメージとは異なる田園風景が拡がります。前々日の台風による大雨で石巻市街地は40cmほど床上浸水もあったと聞き心配しました。北村保育所は、園舎は無事で通常通りの保育ということでしたが、行ってみると、園庭の端の一部が大雨によってがけ崩れを起こし、立ち入り禁止のコーンが建てられていました。東日本大震災で地盤が傾いてしまったため園舎が使えなくなり、現在の場所に移転・新築した北村保育所。今回も園庭とはいえ被害が出たことに、園長先生も驚かれていた様子でした。

 とはいえ、コンサートは無事に開催できることになり、本当にほっとしました。出演はジャスミン・トリオの3人。クラリネット菊池澄枝さん、フルート櫻井希さん、ピアノ鷲尾恵利子さんによるアンサンブルです。素敵なドレス姿に歓声が上がり、目の前で演奏される楽器の音色に、どの子も目を輝かせて聴きいります。「シューベルト「軍隊行進曲」第1番、ビゼー「アルルの女」より「メヌエット」などのクラシック、「山の音楽家」「どんぐりころころ」「日本の秋メドレー(もみじ~村祭り~虫の声)」といった童謡・唱歌、「せかいじゅうのこどもたちが」「パプリカ」などリクエストをいただいた曲を演奏しました。

 クラリネットの楽器紹介では、伊藤康英作曲「クラリネット作っちゃった。」を。菊池さんが、5つの部品を演奏しながら組み立ててていくと、最後には無事に元通りの蔵リネットが出来上がりました。段々クラリネットが出来上がっていく様子が、子ども達には面白かったようで、どの子も集中して菊池さんの手元をじっと見つめていました。

 「虫の声」や「せかいじゅうのこどもたちが」「どんぐりころころ」は、演奏に誘われて自然と身振り手振り付きで歌い出す子どもたちがたくさんいました。みんなの大好きな「パプリカ」では、大きい子ども達ばかりでなく、1,2才児も一緒になって歌い踊り出すほど大盛り上がりです。アンコールの「さんぽ」は、子ども達が歌うすぐそばを、フルートの櫻井さん、クラリネットの菊池さんが歩きながら演奏しました。近くを通られると、予想以上に大きな音がして、びっくりする子どもたちもいました。どの子どもたちも、体いっぱいに音楽を感じていたようでした。

終演後は、迎えに来たお母さん、お父さんに、コンサートの様子を嬉しそうに話す姿があちこちで見られました。後日、先生から届いた感想には「保育所に居ながらにして、いつも遊んでいるホールが、まるでミニコンサートホールのような雰囲気となり、普段は経験できないことを経験することで、子どもたちの興味がより広がるように感じます」と書かれていました。毎日を一緒にすごす先生、お友達と一緒に、いつもの保育園でリラックスしてコンサートを楽しむことは、本当に何物にも代えがたい経験かと思います。演奏家のみなさんにも、子どもたちが楽しんでくれている様子は、とてもとても伝わっていましたよ。たくさんの歌声を、みなさん、どうもありがとうございました!