お知らせ

〈文化庁芸術家派遣事業〉YMCA加茂保育園へ

2019.11.21

音楽の力による復興センター・東北は、
文化庁令和元年度文化芸術による子供育成総合事業〈東日本大震災復興支援対応〉を
受託する実行委員会の一員として、音楽プログラムをコーディネートしています。

仙台市北部にある加茂団地。1970年代に造成され現在は高齢者が多く暮らす団地です。とはいえ北環状線からも近く、近隣地域から100名近い子どもたちが通っています。「アンサンブルコンサート」と名付けられた今日は、仙台チェンバーアンサンブルから、クラリネット叶光徳さん、フルート渡邉珠希さん、ピアノ門脇麻美さんの3名に出演いただきました。

「今日は、動物にちなんだ様々な曲を集めてみました」と叶さん。はじめはフォーレ作曲「ドリー組曲」より「スペイン」「ミアウ」(猫の鳴き声のこと)。猫の鳴き声を真似したようなフレーズが、あちこちに登場しました。つづく手遊びうた「こぶたぬきつねこ」は小さい子どもたちも見様見真似で楽しそうです。フルートの楽器紹介とPryor「笛吹きと犬」(ピッコロとピアノで)、ピアノの紹介とショパン「小犬のワルツ」、クラリネットの楽器紹介と「だんだん小さく」と、耳でも目でも楽しい曲が続きました。「だんだん小さく」は、文字通り楽器が段々バラバラになって、小さくなってしまう曲。最初に切り離されたベル、と言われる一番下の部分をポン、と手のひらに置かれた男の子。曲が終わるまで、緊張した様子で大事に持っていてくれました。

ボディパーカッションに挑戦した「シンコペーテッドクロック」では、叶さんが打つリズムを、次のフレーズで繰り返します。簡単そうでいて、楽しくもなかかなか手ごわい様子。フルートの珠希さんが一緒に打ってくれるので、間違えても大丈夫です。他には、エルガー「愛の挨拶」や、クリスマスに向けた讃美歌「おほしがひかる」、映画「となりのトトロ」より「さんぽ」、そしてアンコールにはお待ちかねの「パプリカ」が。前奏が鳴り出すと同時に、立ちあがり踊り出す子どももいました。目の前で楽器を見ること、演奏している様子を見ることは、初めての子どもたちが多かったようで、コンサートの始まりから、集中した様子で見つめる子どもたちばかり。

近所のおじいさん、おばあさん、そして未就学児親子も来てくれました。演奏の美しい音色だけでなく、音楽に誘われてついつい踊り出してしまう子どもたちの姿にも、たくさん元気をもらった一日でした。みなさん元気な歌声を、どうもありがとうございました!