お知らせ

気仙沼➀幸町コミュニティセンター「秋のコンサート」

2019.10.9

ジャスミン・トリオのみなさんと、2年2か月ぶりの気仙沼訪問となりました。いつもお世話になっているムラカミサポートの村上充さんとも、久しぶりの再会です。SNSでこまめに気仙沼での活動の様子を投稿される村上さん。いつも拝見していることもあってか、2年もお会いしていないような気がしないのも、不思議でした。

最初に訪問したのは、幸町コミュニティセンターです。「復興コンサート」としては3度目の訪問。高層の災害公営住宅が4棟建ち並ぶ間にある、平屋の建物です。周辺には自立再建された方も多く地域の方にもお誘いしてのコンサートとなりました。この集会室、前回来た時にはなかったものを発見。なんと、より後ろの人からも演奏者が見えやすいようにと、ステージが作られていました。また、ギターやベース、アンプ、シンセドラムセットなども。聞けば住民有志で“おやじバンド”を結成。この集会室を借りて練習を重ね、地域のお祭りなどに呼ばれているのだそうです。また、ゆくゆくはバンド練習のできるスタジオとして、外の方にも貸し出していきたいとのこと。コミュニティセンターの管理も、次第に地区に任せられるようになり、少しでも収益が上がればと知恵を絞っていらっしゃるそうです。

そのステージを初めて使わせていただき…ジャスミン・トリオのみなさんが素敵なドレスで登場です。メンバーはクラリネット菊池澄枝さん、フルート櫻井希さん、ピアノ鷲尾恵利子さんの3人。ご挨拶代わりにエルガー「愛の挨拶」から始まると、美しいハーモニーに空気が和らいだような気がしました。楽器紹介では、フルートの櫻井さんがシャンソンのような雰囲気のプーランク「愛の小径」、ピアノの鷲尾さんは小山清茂による「かごめ変奏曲」。童謡「かごめかごめを」主題に、ドラマチックな編曲が施された素敵なピアノ独奏曲を選ばれました。

三善晃編曲「日本の秋メドレー」はさすがの凝ったアレンジで、どれもとても素敵な曲でした。ご当地ソングコーナーでは「港町十三番地」が始まると、どこからともなく口ずさむ声が。港町・気仙沼ならではの浸透具合に、思わず演奏家も笑みがこぼれました。最後はみなさんにも歌で参加していただき「懐かしの映画メドレー邦画編」と「見上げてごらん夜の星を」を。少し切ないような気分にもなりましたが、楽器の演奏に誘われるようにみなさんが歌い出されたのに驚きました。

行く度に少しずつお店が増え、家が増えていっている幸町。とはいえ見知った町の面影はなく嵩上げされて「すっかり新しい」町と感じました。まだまだ空き地が多く、本当にこの後、全ての土地に家が建つのかどうか、不安に思うところも多いのですが…たくさんの方が楽しみに待っていてくださった今回の公演。男性の参加が多いのもう嬉しかったことのひとつでした。幸町のみなさん、またお伺いしますね。それまでどうぞ、お元気で!