お知らせ

みなと荘「みんなと音楽会~真夏の納涼音楽会~」

2019.8.9

石巻市総合福祉会館みなと荘は、震災前、湊小学校の向かいにありましたが、津波によって1階部分が浸水。現在の場所に移転新築され、保育園、学童保育のほか、集会室や調律室などもあり、地区の防災避難場所になっています。今回は、夏休みの小学生と近隣災害公営住宅にお住まいのみなさんとの、両方が楽しめ、世代間交流が深められるような音楽会を、と依頼をいただきました。主催は、石巻市湊地区福祉団体協議会です。

出演は、湊地区に所縁のあるクラシックギター小関佳宏さんと、宮城三女高(現三桜高校)合唱部で先輩・後輩でもあった、ソプラノ千石史子さん、メゾソプラノ赤間夏海さん、ピアノ及川久美子さんにお願いしました。高校を卒業してからは時間が経っているとはいえ、御三方が集まると、高校の頃の部活を思い出すからなのかやはり華やかな御三方なのでした。その明るい雰囲気そのままに、コンサートは始まりました。

大人も子どもも、きっと聴いたことのある夏の曲…「夏の思い出」は素敵な二重唱で。歌劇「カルメン」からは「ハバネラ」を赤間さんが舞台を降りて、男たちを虜にしたカルメンさながら(?!)情熱的に歌います。急にオペラの世界へと連れていかれて、子ども達はちょっとびっくりしていたでしょうか?子ども達に大人気の「パプリカ」は、三人のお友達が前に出てきて一緒に踊ってくれました!大人のみなさんも、目を細めてその元気なダンスを応援です。クラシックギターのソロで「禁じられた遊び」を。こちらは、やはり男の子たちが気になるようで、指が繊細に動くのをじっと見入っていました。「タンゴ・フミコ」は、フィンランドで1950年代に大流行した、日本の女性に惚れこんだ男性が「フミコサ~ン♪フミコサ~ン♪」と切なく歌うタンゴ。フィンランドに惚れこんだ日本の女性である千石さんが、フィンランドに行って「あなたにぴったりの歌があるのよ!」と教えられたのがこの曲だったそう。「さくらさくら」から始まる前奏に、遠い北の国フィンランドと日本を結んだ、昔昔の恋心を想像しながら…。「映像を探してみると、ダンディーなおじさまの声で『フミコサ~ン♪』と歌われているのですが、どなたも歌ってくださる方はいらっしゃらないので、今日は、自分で、歌ってみたいと思います」そんな千石さんのトークに、みなさん可笑しくて笑ってしまいました。

また、蟻坂さんからのリクエストで、震災後に統合・閉校してしまった湊第二小学校の校歌も、ぜひ演奏してほしい、とのこと。地域の方々が湊二小のことも忘れないように、子ども達がどうして湊二小がなくなったか、震災によって地元でどんなことが起こったのかを、知るきっかけにしてほしい、とのお気持ちからでした。また続けて湊小学校の校歌も。こちらは子ども達も、もちろん一緒に。元気の良い歌声を聴かせてくれました!子どもさんやお孫さんが湊小に通った方もいらしたのでしょうか、大人のみなさまも子ども達の様子に、笑顔。懐かしそうに目を細めていらっしゃいました。

「川の流れのように」「さんぽ」でコンサートが終わると、今度は、みなと荘のスタッフさんが用意してくださって、かき氷のお振舞いがありました!みんなで、舌を、赤や緑に染めながら、ひんやりと美味しいかき氷をいただきました。蟻坂さん、みなと荘スタッフのみなさん、ごちそうさまでした!