お知らせ

気仙沼④鹿折東中才「たのしい☆おしゃべりコンサート」

2019.5.12

 午前中に伺った錦町コミュニティセンターから、鹿折川を上流に上り国道45号を越えると、小さな山の裏手に鹿折児童館・鹿折保育所があります。その児童館の目と鼻の先にあるのが「東中才交流センターひだまり」。以前は田んぼだったこの辺りも、東日本大震災では津波ががれきを運び大変な状態だったと言います。その後、田んぼは宅地へと造成され22世帯が転入されました。周りを囲むように、以前からこの地に住む方たちの家々が並びますが、新しく引っ越していらした方にも早くここに馴染んでいただき、お互いに安心して暮らしていけたら、と交流を深めるきっかけとしてコンサートをご依頼をいただきました。出演は引き続き、仙台フィル首席オーボエ奏者の西沢澄博さん、チェロ奏者の山本純さん、石巻在住のピアニスト藤井朋美さんです。

 こちらでは、小学生の男の子が二人、最前列で待っていてくれました。後ろには、昨夜伺ったすがとよ酒店の英樹さんが、吹奏楽部に所属する息子さんも連れて、聴きにきてくれています。西沢さんは、オーボエの音の要の部分である“リード”を、近くで見せてくれました。これは、オーボエ奏者はみんな、自分で作るのだそうです。唇に当たる部分は、葦の茎を乾燥させたものを使いますが、世界中広しといえども南フランスのごく一部の地域で栽培されているものしか、うまく音が出ないのだそうです。チェロの山本さんも、楽器の仕組みや素材について近くで見せてくれました。楽器の底に挿してある金属で出来たエンドピン。実は、楽器の振動をホールの床に伝える役目があります。なので、世界中で有名なホールほど、舞台の上はエンドピンの穴だらけなのだそうです。

 そしてアンコールでは、気仙沼と言えばこの歌「北国の春」をみなさんに歌っていただきました。すると誰からともなく「あら、おどったらいっちゃ~」「んだんだ」その声に立ちあがったお洒落なおかあさん。そして「あんだも踊らい」ともうお一方…。その踊り姿の溌剌と若々しく、姿勢のよいことと言ったら!周りのみなさんも、やんややんやと歌で応援です。すっかりみなさんを笑顔にしてくださったお二人に、大きな拍手が送られました。

お見送りの際には、近くで楽器を見せてもらったり、特別に持たせてもらったり(!)、演奏した曲についての感想をいただいたり、「遠くからわざわざ来ていただいて、ありがとうね~」と声を掛けていただいたり。いえいえ、こちらこそです。こんなにたくさんの方にお集まりいただいて、本当に嬉しいばかりでした。

 2日間の気仙沼ツアーの帰り、せっかくなので大島に渡る鶴亀大橋へ。夕暮れ前のおひさまの光に、海の水面がきらきらと本当に美しく輝いて見えました。そして、思った以上に風が強くて驚きました。もう、すっかり春と思っていましたが、やはりそこは北国なのですね。今回もお世話になりましたムラカミサポート村上さんはじめ、気仙沼のみなさん、たくさんの方にご協力、またお集まりいただきまして、本当にありがとうございました。また、きっとお伺いできればと思います!