お知らせ
いわき②豊間「春のひなたぼっこコンサート」
- 2019.4.25
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仙台チェンバーアンサンブルから、クラリネット叶光徳さん、パーカッション小林直央さん、ピアノ門脇麻美さんとの、福島沿岸部ツアー。最後に訪れたのは、美空ひばりさんの「みだれ髪」に登場する塩屋岬の眼下に広がる、豊間地区です。
豊間地区は、かつては海の側まで家々が建ち並ぶ美しい海岸でした。東日本大震災では、800世帯中約600世帯が、約9mの津波により流失。80名が犠牲となりました。元は、全戸が戸建ての住宅であり、二三世代同居が当たり前でしたが、震災後、学校・スーパー・病院が地区内にないことから、若い世代が便利のよい地区に移住し、高齢者だけが戻ってくると言う世帯が多くありました。市営災害公営住宅 豊間団地は平成26年6月入居開始、既に暮らし始めて丸5年になります。当初は豊間地区の元住民のみの入居でしたが、平成30年12月からは市営住宅としての一般募集も始まり、これまでに10世帯12名の子どもたちも加わりました。母子家庭が多く、騒音問題などこれまでなかった問題も出てきています。カラオケサークルが複数あるなど住民同士の交流は活発ですが、引き籠もりがちな方もおり、今回初めて「復興コンサート」を開催するに当たっては、これまであまり参加のない方たちにも声をかけたい、と自治会役員さんからのお話しでした。
今回はその「みだれ髪」を、叶さんにリクエストしていました。「今回、こちらに伺うにあたって初めて練習してみたんですが…吹いてみたら、これがとってもいい曲で、驚きました。クラリネットにぴったりくるんですねぇ…」としみじみ。柔らかいだけでなく、どこか切ないクラリネットの音色で演奏されるのを聴いて、みなさんも納得の表情でした。一緒に歌っていただいたのは古関裕而「高原列車は行く」。懐かしい歌に誘われて、溌剌としたお若い声が聴こえて来ます。そしてこちらでも「コーヒー・ルンバ」でボディーパーカッションに挑戦していただきました。カラオケの好きな方が多い、とお聞きしていただけあって、みなさんノリノリです。小林さんの乗せ上手もあり、ちょっと間違えたり上手にできたり、あちらこちらで笑顔がこぼれます。
帰りがけには笑顔で感想を伝えてくださる姿がありました。「とっても良かったよ~」「今日はありがとうね~」こちらこそ、一緒にご参加いただけてとても嬉しかったです。「みだれ髪」も、これからもあちこちで叶さんに演奏していただきますね。その、塩屋岬に、メンンバーのみなさんと寄ってみました。上空はある高さまでは晴れているのですが、それより上は、すっかり雲の中!なんとも幻想的な風景でした。叶さん、小林さん、門脇さん、バラエティ豊かなプログラムを、今回は本当にありがとうございました。最後の写真は、豊間団地自治会の役員さんと、いわき市社協のお二人と。大変お世話になりました!